イズミnews|第3Q営業収益3733億円8.2%増・経常利益172億円23.1%減
(株)イズミ(広島県広島市、山西泰明社長)の2025年2月期第3四半期の決算は、営業収益3732億6600万円(前年同期比8.2%増)、営業利益170億0500万円(22.1%減)、経常利益171億7300万円(23.1%減)、四半期純利益118億5800万円(18.4%減)の増収減益となった。
営業利益率4.6%(4.6%)、経常利益率6.3%(6.5%)。( )は前年数値。
収益面では、営業総利益は1487億5100万円(前年同期比52億1500万円増)となったが、営業収益対比では35.3%となり前年同期に比べて1.7ポイント低下した。
一方、販売費及び一般管理費は、事業承継に伴う人件費や取得関連費用の増加等により、前年同期比100億4700万円(8.3%)増加の1317億4600万円となった。営業収益対比では35.3%と前年に対して横ばい。
事業部門の状況では小売事業は、2024年2月15日に発生したランサムウェア感染によるシステム障害の影響により、複数の不具合が生じた。商品供給面では、発注システムに支障をきたし、一部商品の提供が困難になる不具合が生じた。販促・サービス面では、各店舗の折込チラシ、「ゆめアプリ」のアプリクーポン、ECサイト「ゆめオンライン」、ネットスーパー「ゆめデリバリー」などのサービスが一時休止となった。
5月1日にはシステムが復旧し、サービスの正常化と減少した客数の回復を図るべく、対応を進めた。また、2月に加盟したニチリウグループ(大阪市福島区)との取り組みを進めている。
直営ライフスタイル部門では、価格競争力のある付加価値商品等の導入を進めており、来期以降も拡大していく。9月には、連結子会社のゆめマート熊本に、ニチリウグループのプライベートブランドである「くらしモア」を導入し、低価格ニーズへの対応力を高めている。
店舗面では、4月に「ゆめマート新大村(長崎県大村市)」を開業した。5月には「ゆめモール合志(熊本県合志市)」、9月には建て替えにより、「ゆめモール五日市」を開業した。既存店では大規模リニューアルを実施した。3月に「ゆめタウン平島(岡山県岡山市)」に「サンドラッグ」、4月には「ゆめタウン学園店(広島県東広島市)」に「無印良品」をテナントとして導入するなど、中型総合店舗への有力テナント導入で集客力向上を図った。
大型店舗では、10月に「ゆめタウン高松(香川県高松市)」、11月に「ゆめタウン博多(福岡市東区)」に、「食」「ビューティ・ドラッグ」の売場強化等による改装を実施した。
販売面ではシステムが復旧した5月以降、販売促進施策を強化し客数の回復に努めた結果、販売は好転した。夏場に入り、客数の回復ならびにインフレの長期化により高まる低価格ニーズへの対応の一層の強化を企図し、6月から食料品や日用品60品目を対象に、従来価格から最大3割程度値下げした「全力応援値下げ」を開始した。
一方で、自社製造ブランド「zehi」や、社内審査で厳選した「これ旨」などの高付加価値商品の販売推進により、二極化する消費への対応を進めた。秋口以降、残暑の長期化により気温の低下が遅れたことから、直営ライフスタイル売場では衣料品が伸び悩んだが、直営食品売場では、低価格を中心に消費二極化への施策を進めた結果、客数の増加とともに販売も好調に推移した。