三越伊勢丹news|年商5456億円1.8%減も営業利益は過去最高の800億円
(株)三越伊勢丹ホールディングス(東京都新宿区、細谷敏幸社長CEO)が、2026年3月期の本決算を発表した。
2025年4月1日~2026年3月31日の連結業績は、売上高5456億2600万円(前年比1.8%減)、営業利益800億2000万円(4.9%増)、経常利益865億8700万円(1.7%減)、当期純利益760億9600万円(44.1%増)だった。営業利益は3年連続で過去最高を更新した。当期純利益も過去最高を大幅に更新した。好調な国内顧客売上高の伸長が、環境与件を受けた海外顧客売上高の減少を補い、全体として前年同等の総額売上高を確保した。
営業利益率は14.7%、経常利益率は15.9%。

主力の百貨店業の売上高は4497億1800万円(2.5%減)、営業利益は655億2200万円(1.5%増)。国内顧客の売上げは識別顧客数増加と連動して堅調に推移し、首都圏の三越・伊勢丹両本店の総額売上高は前年並みに回復した。岩田屋本店や新潟伊勢丹など地域主要店でもラグジュアリーブランドや宝飾時計が売上げを牽引した。
首都圏店舗では、伊勢丹新宿本店の「丹青会」、三越日本橋本店の「逸品会」で、国内外の一流・上質なコンテンツや通常は店舗で取り扱っていない商品の提案、体験型イベントを開催し、過去最高売上げを記録した企画もあった。地域店舗では、両本店からの商品取り寄せや店舗間送客による「拠点ネットワーク」活動が前年同期比で二桁増加し、好調に推移した。オンライン事業では、店舗との連動企画を強化し、総額売上高が過去最高を更新した。
2025年3月には、年会費無料の「エムアイカードベーシック」を導入し、新規のカード会員が増加、識別顧客数は前年同期比約74万人増の約835万人となった。この識別顧客数の増加により識別顧客売上高は堅調に推移し、年間300万円以上を買い上げる顧客も増加した。特に個人外商の取扱高は首都圏店舗を中心に着実に伸びを見せている。同じく2025年3月に海外顧客向けアプリ「MITSUKOSHIISETANJAPAN」をリリースした。購買特典や高額免税者向けサービスの導入など、来店促進を一層強化し、「MITSUKOSHIISETANJAPAN」とWeChatの合計会員数は約88万人に達した。
一方海外顧客の売上げは、為替動向や高額品価格改定前の駆け込み需要の反動に加え、2025年11月以降の訪日客数減速の影響を受けて前年実績を下回ったものの、海外外商の取扱高は増加傾向にある。あわせて、経費構造改革による人件費・地代家賃などの経費コントロールの徹底が、営業利益の改善に寄与した。
海外店舗では、2025年度にシンガポール拠点の構造改革を実施した。また、米国三越では日本食レストランや2025年12月にリニューアルオープンしたフードスタンド、小売店舗における日本のキャラクターグッズが好調に推移し、大幅な収益改善につながった。
クレジット・金融・友の会業は、売上高355億9300万円(3.4%増)、営業利益63億3600万円(10.3%増)。
(株)エムアイカードでは、2025年3月における年会費無料の「エムアイカードベーシック」の発行も寄与し、新規入会口座数は大幅に増加、カード会員総数も順調に伸長している。同様に、2025年3月には、資産運用・クラウドファンディング・保険等を提供する総合金融サービス「MITOUS」を開始し、百貨店顧客向けイベントに出展するなど新たなサービス展開を推進した。さらに2025年10月には金融商品仲介業および銀行代理業の認可を取得し、三越日本橋本店内での営業を開始するなど、百貨店顧客との接点を活かした金融商品の企画・提供を拡充している。同社は、円安など外部環境の影響を受けつつも、取扱高の拡大や収支構造改革の継続により、過去最高益を達成するとともに、事業基盤の一層の強化を実現した。
不動産業は、売上高271億7300万円(8.0%減)、営業利益46億8100万円(29.5%増)。
新宿エリア保有物件の賃料収入が増加したほか、建装事業のグループ間での連携強化により受注が伸長した。(株)三越伊勢丹プロパティ・デザインは、自社工場の高品質な技術力を活かし、ホテル・オフィス・ブランドショップなどの内装設計・施工を受注した。物価高騰や人材不足下においても、採算性重視の物件選定や経費抑制を徹底し、収益性と効率性を高め、大幅な増益を達成した。
その他の事業は、売上高981億3000万円(2.1%増)、営業利益30億2200万円(45.4%増)。
クイーンズ伊勢丹などのスーパーマーケット事業や食品のOEM製造事業を展開している(株)エムアイフードスタイルは、三越伊勢丹グループの強みを活かし、プライベートブランドの販路拡大やエムアイカード会員向けキャンペーンなどの連携施策を強化した。スーパーマーケット事業では客単価が伸長し増収増益を達成した。なお、同社は100%出資による新会社「株式会社フードクラフト」を設立し、顧客接点拡大を目的として、2026年4月に(株)大寿から「OONOYA」と「大野屋商店」の事業を吸収分割により承継した。
旅行業を営む(株)三越伊勢丹ニッコウトラベルは、2025年度において、国内では厳島神社夜間奉納公演や「にっぽん丸」ラスト・チャータークルーズ、海外ではイタリア四大モニュメント貸切見学やアンコール遺跡での晩餐会など、数々の特別企画による高感度かつ上質な商品を展開した。
(株)スタジオアルタは、新宿アルタビジョンの終了 (2025年2月) に伴い、売上高と営業利益は前年を下回った。一方で、広告制作事業の集約とスタジオアルタのノウハウを活用した外部企業への販売を推進するとともに、屋外広告やデジタルサイネージなど百貨店店舗メディアの販売が堅調に拡大した。
2027年3月期は、売上高5600億円(2.6%増)、営業利益815億円(1.8%増)、経常利益800億円(7.6%減)、当期利益615億円(19.2%減)を見込む。
