ファーストリテイリング2015年8月期第3四半期は売上げ23.9%増、営業利益35.5%増

イオン、セブン&アイ・ホールディングスなど2月期決算企業の第1四半期の成績が発表されているが、ファーストリテイリングは8月決算。同社の2015年8月期の第3四半期決算が発表された。

9カ月累計の売上収益は1兆3481 億円、前年同期比に対して2600億円の上積みで23.9%増。
営業利益は1892 億円、35.5%増と絶好調の増収増益を達成。
すべてのセグメントで増収増益という凄い数値。とくに海外ユニクロ事業は大幅な増収増益となった。

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セグメント別概況 

 

■国内ユニクロ事業

第3四半期までの累計は、売上収益 6381 億円(同 12.0%増)、営業利益は1137 億円(同21.6%増)。売上総利益率(粗利益率)が1.0 ポイント向上し、売上販管費比率(経費率)が同0.6 ポイント改善した。その結果、国内ユニクロ事業が計画を上回る増収増益となった。

既存店売上高は、ヒートテックやウルトラライトダウンの秋冬物に続き、ボトムスやエアリズムなどの春夏商品の販売も好調で、9.9%増と2ケタ近い伸び率を示した。
売上総利益率は、春夏商品の一部をスポット為替レートで調達したことによる原価の上昇で前年同期比1.1ポイント悪化したが、販管費比率が0.9ポイント改善したことで、11.2%増となった。
5月期末の国内ユニクロの直営店舗数はスクラップ&ビルドを進めた結果、814 店舗(フランチャイズ店30店舗除く)と、前年同期末比 27 店舗減少した。このうち9店舗は直営店からフランチャイズ店に転換した。しかし店舗数を減らして増収を果たした。

■海外ユニクロ事業

9カ月累計の売上収益は4818億円(同47.0%増)、営業利益は519億円(同55.0%増)と、ほぼ計画通りの増収増益。
とりわけグレーターチャイナ(中国・香港・台湾)、韓国は計画を上回る増収増益と絶好調。グレーターチャイナの5月末店舗数は、10店舗閉鎖と78店舗出店の結果、442店舗。

一方、米国は売上高、営業利益が計画を下回った。売上げの下振れが続いていることから値引き販売が増加し、赤字幅は前年に比べ拡大した。
欧州(英国・フランス・ロシア・ドイツ)はグローバル旗艦店の311 オックスフォードストリート店の全面改装のための一時閉店を、3月から実施した影響により減益。

東南アジア地区(シンガポール・マレーシア・タイ・フィリピン・インドネシア)は、増収増益であったものの計画を若干下回った。そして、オーストラリアはほぼ計画通り。
また、英国と中国のグローバル旗艦店などの改装に伴い、固定資産除却損20億円を計上したため、営業利益率は若干低下している。

ただし、海外ユニクロ事業全体の5月末の店舗数は、グレーターチャイナがけん引して767 店舗と、国内814 店舗に迫る勢いだ。

■グローバルブランド事業

9カ月累計の売上収益は2259億円(同19.6%増)、営業利益は197億円(同37.8%増)と、計画を上回る増収増益。

グローバルブランド事業に組み入れられているが、ディスカウントタイプのジーユー事業は、既存店売上高が2ケタの増収。営業利益率も改善し、計画を上回る大幅な増収増益を達成した。秋冬商品の好調な販売に加え、春夏シーズンにおいてもガウチョパンツ、ゆるキレスカート&パンツといったキャンペーン商品の販売が好調。既存店売上高は増収し、営業利益率も改善傾向にある。

一方、セオリー事業は、米国のラグジュアリー市場の不調により計画を下回り減益となった。
コントワー・デ・コトニエ事業、プリンセスタム・タム事業はほぼ前年並みの業績、J Brand事業は増収だったが、赤字が継続中。まだまだGU以外の事業は発展途上だ。

■2015 年8月期の連結業績予想
通期の売上高は 1 兆 6500 億円(前期比19.3%増)、営業利益は2000億円(53.4%増)、税引前利益は2115 億円(56.1%増)と過去最高の業績を見込む。
期末の店舗数は国内ユニクロ事業で840店舗(フランチャイズ店含む、前期末比12店舗減)、海外ユニクロ事業で801店舗(168店舗増)、グローバルブランド事業で1341店舗(73店舗増)、合計2982店舗と昨対229店舗増を計画する。そしてユニクロは国内と海外が拮抗してくる。

 

日経MJが6月24日に発表した「小売業14年度ランキング」で、ファーストリテイリングは、三越伊勢丹ホールディングスを抜いて第4に躍り出た。

1位はイオンで7兆0785億円(2月期)、
2位がセブン&アイ・ホールディングスの6兆0389億円(2月期)と、この2社は別格。

しかし、衣料品だけで1兆6000億円ということはイオン、セブン&アイのアパレル部門と比べると、ファーストリテイリングがダントツの日本トップ企業ということになる。

昨年度の3位はヤマダ電機1兆6643億円(3月期)。昨年度の4位はファーストリテイリングで、年商1兆3829億円。今年度の通期予測は1兆6500億円だから、いまや、ヤマダ電機に迫る勢い。それもヤマダに比べると商品単価の低い商品の売上げを積み上げた数値だから、これも凄い。
そのヤマダ電機は、5月に46店舗の閉鎖を決めた。

果たして来年、日本小売業ランキングに変動は起こるのか。現在の勢いから判断すると、それは起こりそうだ。

 

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