サニーマートとローソンの提携でローソン高知設立のインパクト

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四国は高知県に本拠を置くスーパーマーケット㈱サニーマート。
高知県ではシェアトップのローカルチェーン。
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コンビニ第2位の㈱ローソンと合弁会社「㈱ローソン高知(仮名)」を設立する。

今後に影響を与えるニュースだ。

サニーマートは1961年創業で、現在、高知県を中心に香川県、愛媛県にスーパーマーケット27店舗を展開。

その一方で、2001年には㈱スリーエフとエリアフランチャイズ契約を締結して、コンビニエンスストア事業を開始した。
2005年には、コンビニエンス事業部を分社し、㈱スリーエフ中四国を設立している。
現在は、66店舗を展開して、スリーエフの拠点地域の一つになっている。

そのサニーマートのスリーエフがローソンに転換する。
段取りはまず第一に今年末の12月に、サニーマートが子会社中四国を吸収合併。
スリーエフ中四国が運営していたスリーエフ店舗を直接運営に切り替える。
そして来年2015年の2~3月ごろに、改めてサニーマートがローソンと企業FC契約を締結する。
その段階から、高知県内のスリーエフ66店舗をローソン店舗に順次転換。
さらに来年2015年3~6月ごろに、㈱ローソン高知を設立。
今度は㈱ローソンが運営している高知県内のローソン67店舗と、サニーマート運営の 高知県内ローソン66店舗を合わせた133店舗を、ローソン高知が運営することとする。

その基本合意契約が今週火曜日の10月28日に締結された。
出資比率はサニーマート51%、ローソン49%。

この統合はお互いにとって、実にメリットが大きい。

すでに寡占から三占の状況に転換しつつある日本のコンビニ業界で、ローソンは堂々の第二位。しかしセブン-イレブンが四国に進出してきて、先行しているローソンを脅かしている。
高知県はこれからの出店だが、その「高知の闘い」は目前のことだ。

一方のスリーエフは2013年度で業界10位。
1位 セブン-イレブン1万6086店(8.6%増) 
2位 ローソン1万1653店(4.5%増)
3位 ファミリマート1万0327軒(12.5%増) am/pm含む
4位 サークルKサンクス6303店(0.2%減) 
5位 ミニストップ2184店(1.4%増) 
6位 デイリーヤマザキ1538店(3.6%減) 
7位 セイコーマート1162店(0.4%増) 
8位 ココストア768店(6.5%減) 
9位 ポプラ627店(9.4%減) 
10位 スリーエフ625店(4.9%減) 

歴然としている。
1位から3位までが1万店を超え、4位のサークルKサンクスから10位までは、店数が減少もしくは微増。

コンビニという成長産業も、全ての企業が伸び続ける時代はとうの昔に終焉している。
そして数社による寡占から、三者による三占へと猛スピードで移行中。

サニーマートのローソン高知設立の意思決定は、正しい。

ローソン高知は「両社の持つ特長を活かし、高知県内のお客様の利便性向上に努めてまいります」としているが、そのとおりだろう。

ローソンはSCM(サプライ・チェーン・マネジメント)に特徴があるし、共通ポイントサービス「Ponta」を活用してCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)を展開している。プライベートブランド「ローソンセレクト」も充実してきた。
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ナチュラルローソンやローソンストア100、ローソンマートなど、マルチフォーマット展開にも乗り出している。

サニーマートの経営戦略にフィットする要件は整っている。

さらに先行事例がある。
沖縄の強力ローカルチェーン㈱サンエーが展開する㈱ローソン沖縄である。
同じようにローソンとサンエーによる合弁会社。
今年2月末日現在、直営店1店舗とFC店162店舗。

サンエーはスーパーマーケットの店頭にもローソンセレクトを並べ、これが実に効果的な商品群となっている。しかも、サンエーとサニーマートは同じニチリウグループに加盟していて、ノウハウの交流が可能だ。

そのニチリウは、日本流通産業株式会社から商品供給を受け、共同仕入れをしている。
全国各地の有力チェーンストア17社と、生活協同組合3協が加盟。
幹部の名前を列挙するだけですごい。
         
代表取締役会長   清水 信次(株)ライフコーポレーション代表取締役会長兼CEO
代表取締役社長    夏原 平和(株)平和堂代表取締役社長            
代表取締役副社長     山西 泰明(株)イズミ代表取締役社長
代表取締役副社長     神吉 康成(株)オークワ代表取締役社長兼COO
代表取締役副社長     本田 英一生活協同組合コープこうべ組合長理事
代表取締役副社長     大見 英明 生活協同組合コープさっぽろ理事長
代表取締役副社長     佐藤 総二郎(株)さとう代表取締役社長
代表取締役副社長     中村 雄一(株)サニーマート代表取締役会長
代表取締役副社長     折田 譲治(株)サンエー代表取締役会長
代表取締役副社長     山澤 進(株)ヤマザワ代表取締役会長
副会長       山西 義政(株)イズミ取締役会長
副会長       大桑 堉嗣(株)オークワ代表取締役会長兼CEO

ニチリウは確かに、イオン、セブン&アイ・ホールディングスに次ぐ三番手の地位にある。

従って今後、地域シュアトップのニチリウ加盟チェーンとローソンとの提携も、考えられる。
セブン-イレブン包囲網という観点からすると、そんな情勢変化にも影響を与える提携である。

〈結城義晴〉

検索ワード:サニーマート ローソン ニチリウ サンエー

 

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