7月百貨店統計|2回のクリアランスセールも効かず既存店6.1%減

日本百貨店協会から7月の「百貨店売上高概況」が発表された。調査対象店舗は79社219店舗で、前月から1社1店舗減少した。

百貨店の7月の既存店売上高は5132億円0008万円、前年同月比6.1%減と2カ月ぶりに前年割れとなった。協会では主なマイナス要因を3つ挙げている。第1に、上旬の西日本豪雨、梅雨明けからの連日の猛暑、月末の台風12号上陸などの気象要件が客数に影響を及ぼした。第2に、クリアランスセールを前倒しして6月からスタートしたこと。第3に前年に比べて土曜日が1日少なかったこと。

顧客別に見ると、顧客シェア5.3%の外国人売上高は272億円で19.8%アップ。一方で、シェア94.7%を占める国内市場は、7.2%減と2カ月ぶりに前年を下回った。

主要10都市は対前年比5.1%減で2カ月ぶりにマイナス。すべての都市が前年割れとなった。
神戸▲36.0%、広島▲14.6%、京都▲6.8%、東京▲4.5%、仙台▲4.3%、福岡▲4.2%、横浜▲2.9%、札幌▲2.6%、大阪▲1.7%、名古屋▲1.6%。

また、10都市以外の8地域もすべてマイナス。全体では▲8.3%で15カ月連続で減少した。
近畿▲16.7%、中国▲10.9%、北海道▲10.2%、東北▲7.3%、関東▲7.0%、四国▲6.4%、九州▲6.0%、中部▲5.2%。

主要5品目では「雑貨」だけが0.8%増と前年をクリアして、20カ月増収が続いている。とくに化粧品は5.3%増と、40カ月連続で前年を上回る。一方、好調が続いていた美術・宝飾・貴金属は1.3%減と、16カ月ぶりに前年を下回った。

ほかの4品目は減収。とくに「衣料品」と「家庭用品」は二桁減と苦戦した。
「衣料品」はセール前倒しが響き▲11.1%。婦人服▲11.0%、紳士服▲10.8%、子ども服▲11.3%すべてが低迷した。
「家庭用品」は▲10.4%。家電▲18.5%、家具▲7.7%ともに前年を大きく下回った。
「身の回り品」は▲6.3%、「食料品」は▲4.2%。

百貨店業界として今年初めて実施した7月27日からのクリアランスセール「プレミアム サマー バザール」は、台風の影響を受けた日を除くと、月末業績では前年を上回った。

大手百貨店グループの7月の確報業績は下記の通り(%は前年同月比)。
(株)三越伊勢丹ホールディングスの国内百貨店事業は▲5.9%。
(株)J.フロント リテイリングの百貨店事業は▲5.7%。
(株)髙島屋は▲3.5%
(株)エイチ・ツー・オー リテイリングの百貨店は▲5.2%。

大手百貨店グループの7月は、2回のクリアランスセールを仕掛けたにもかかわらず、低迷した。

>全国百貨店売上高概況2018年7月

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