9月百貨店統計|既存店売上高3%減/台風・地震で休業や時短営業が影響

日本百貨店協会から9月の「百貨店売上高概況」が発表された。調査対象店舗は79社219店舗で、8月と変わらない。

9月の既存店売上高は、4197億円5119万円で前年同月比3.0%減。2度の台風上陸、北海道地震などで多くの店舗が休業や営業時間の短縮を余儀なくされた。

売上げシェア94.1%を占める国内市場は、3.5%減と3カ月連続で前年を下回った。一方で、シェア5.9%の外国人売上高は246億円で6.3%アップ、22カ月連続で伸長している。大阪地区では、台風で関西空港が一時閉鎖したが、大阪滞在中の外国人観光客が、名古屋や福岡に宿泊地や観光地を変更したことで、それを補うことができた。

主要10都市は対前年比2.5%減で2カ月ぶりにマイナス。10都市中7都市が前年を下回った。
前年クリアしたのは3都市。福岡5.7%、横浜1.3%、東京0.3%。
一方、減少したのは、神戸▲32.2%、札幌▲11.1%、京都▲6.7%、広島▲5.9%、大阪▲4.1%、仙台▲1.2%、名古屋▲0.2%。

また、10都市以外の地区は4.1%減で17カ月連続。8地区すべてが前年を下回り苦戦している。
近畿▲11.4%、東北▲4.2%、中部▲3.7%、関東▲3.4%、四国▲2.9%、九州▲2.2%、中国▲2.0%、北海道▲0.7%。

北海道地区は地震、西日本地区は台風の影響が大きい。

主要5品目では、雑貨が0.6%増で、22カ月連続前年を上回っている。化粧品は秋のメイクアップ・スキンケア用品が好調で1.8%増と、42カ月プラスが続いている。また高級腕時計が堅調で、美術・宝飾・貴金属は1.0%増となった。

一方で衣料品、身のまわり品、家庭用品、食料品の4カテゴリーは減収だ。

衣料品は▲5.4%。中旬以降の気温低下で、コートなど秋冬商品に動きも見られたが、婦人服▲5.4%、紳士服▲3.6%、子ども服▲5.8%と低迷した。

身のまわり品は雨具など好調な商品もあったが、▲1.9%。家庭用品は家電が▲33.1%と大きく低迷して、全体では▲8.8%。食料品は、一部地域では回復の兆しも見られたが、台風による集客減と、商品の未入荷などの影響を受けて▲2.2%だった。

大手百貨店グループの9月の確報業績は下記の通り。%は前年同月比。

(株)エイチ・ツー・オー リテイリングの百貨店は▲0.2%。
(株)J.フロント リテイリングの百貨店事業は▲2.4%。
(株)髙島屋は▲2.8%
(株)三越伊勢丹ホールディングスの国内百貨店事業は▲3.1%。

大手百貨店グループ4社は揃って前年を下回った。

>全国百貨店売上高概況2018年9月

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