9月百貨店統計|売上高3340億円・33.6%減/イエナカ需要・ECは好調

日本百貨店協会(東京都中央区、村田善郎会長)が発表した「百貨店売上概況」によると、9月の売上高は3340億4842万円の前年同月比33.6%減となり、12カ月連続の減収だ。調査対象店舗は前月比7店舗減の73社196店舗。

昨年の消費増税前の駆け込み需要(23.1%増)の反動と新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛、一部地域の台風などの悪天候による休業・時短営業が影響した。一方、各社が実施した会員優待施策や徹底した感染予防策のもと、再開した物産展などが奏功し、入店客数が復調傾向を示している。消費増税要因を除く前々年の売上げ対比は18.7%減だった。

顧客別ではシェア99.4%を占める国内市場は30.5%減少した。

コロナ禍で入国制限が継続されていることから、インバウンドの売上高は91.6%減と、8カ月連続して厳しい状況が続いている。

地区別では、大都市の10都市では35.5%減、地方(10都市以外)では28.4%減だったが、その差(7.1ポイント)は前月(14.9ポイント)からは大きく縮小した。

商品別では、駆け込み需要で前年が高伸した雑貨や身の回り品は苦戦したが、影響の少なかった食料品は比較的堅調だった。また、イエナカ需要から、少し贅沢を楽しむ傾向も見受けられ、精肉や鮮魚、ワインや日本酒などの酒類、家具、キッチン雑貨なども動いた。衣料品はプロパー品の生産調整や納期遅れ、リモートワーク継続によるビジネス関連商品の苦戦など厳しい状況が続くが、月後半の気温低下から一部秋物衣料や服飾雑貨に動きが見られた。

EC売上げは、二桁の伸びを示す店舗が多く、引き続き好調に推移している。各社ではオンライン展開商材の拡充に加え、ECと店頭との連動策、SNSのライブ配信やWEB接客など、さまざまな取り組みを積極的に行っている。

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