1月百貨店統計|売上高29.7%減/緊急事態宣言再発出で16カ月連続減収
日本百貨店協会(東京都中央区、村田善郎会長)が発表した「百貨店売上概況」によると、1月の売上高は3265億1018万円で前年同月比29.7%減だった。前月より16.0ポイントダウンし、16カ月連続の減収となった。調査対象店舗は73社196店舗で前年同月より2社、11店舗少ない。
年明けに11都府県に再発出された「緊急事態宣言」によって、対象地区所在店舗で実施した営業時間短縮や、主要顧客である高齢層の外出自粛などが集客(入店客数約40%減)に大きく影響した。一方、株高を背景に、付加価値の高いラグジュアリーブランドや宝飾品・高級時計など高額品は堅調に推移した。また、EC売上げは各社の積極的な施策も奏功し、大幅に伸長した。
国内市場は25.5%減、インバウンドは87.4%減。
地方百貨店は23.2%減、緊急事態宣言対象地区の多くが含まれる大都市百貨店は32.1%減で、その差8.9ポイントは、前月よりさらに1.4ポイント広がった。
主要5品目については客数減が響い、てすべて二桁減となった。例年賑わう初商において三密回避の観点から来店を抑制するため、福袋の予約販売やネット販売を強化するなどさまざまな補完施策を行った。しかしながら、特に衣料品を中心としたファッション商材は、クリアランスの前倒しもあって苦戦した。半面、「イエナカ消費」「巣ごもり需要」から、家具、調理家電、テーブルウェア、寝装品、精肉、和洋酒などには動きが見られた。 バレンタイン商戦については、ECサイトによる先行販売や限定品が好評だった。急伸するECの売上げが牽引し健闘している。