2月百貨店統計|売上高10.7%減/緊急事態宣言延長で17カ月連続減収

日本百貨店協会(東京都中央区、村田善郎会長)が発表した「百貨店売上概況」によると、2月の売上高は3223億3238万円。前年同月比10.7%減で、17カ月連続の減収となった。調査対象店舗は73社196店舗で前年同月と変わらない。

2月の売上高は10.7%減と前月(29.7%減)より減少幅が縮小し、回復の兆しは見えてきたものの、コロナ禍の影響がなかった前々年(2019年2月)対比では21.9%減と、依然厳しい状況が続いている。「緊急事態宣言」延長による対象地区店舗・テナントでの時短営業や、主要顧客である高齢層の外出自粛に加え、前年閏年による営業日数減なども響いた。

顧客別では、国内富裕層を中心に高額消費が活発で、ラグジュアリーブランドや時計・宝飾品などが高伸しているほか、巣ごもり需要やECも引き続き好調で、国内市場は9.1%減(4カ月連続/シェア98.7%)ともち直してきた。

一方、インバウンドは入国規制で60.7%減減(13カ月連続/シェア1.3%)、コロナの影響がない前々年比では86.4%減と低水準のまま推移している。

地区別では、地方(10都市以外)が9.0%減、大都市の10都市が11.4%減と、その差は2.4ポイントまで縮小した。

商品別では、株高を背景に、高級時計などを含む美術・宝飾・貴金属は増勢で、前年比(8.9%増/2カ月ぶり)、前々年比(1.5%増)ともにプラスとなった。化粧品は、インバウンドの影響で前年割れしているが、国内顧客の需要増から一部に改善傾向も見られる。また、イエナカニーズを反映し、調理家電、特選食器関連などが動いた家庭用品(0.2%増/4カ月ぶり)は、前年実績を確保した。衣料品はビジネス関連を中心に苦戦が続くが、一部軽衣料は健闘している。

バレンタイン商戦は、店頭では混雑回避を目的に、ブランドの絞り込みや入場制限など制約の多い展開となったが、オンライン販売強化によるEC売上げの高伸がカバーし、堅調に推移した。中でも、各社が実施した「自家需要」「巣ごもり消費」向け施策などが好評だった。

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