9月百貨店統計|売上高3188億円4.3%減と2カ月連続マイナス
(一社)日本百貨店協会(東京都中央区、村田善郎会長)が発表した「百貨店売上概況」によると、9月の売上高は3188億2137万円の前年同月比4.3%減と、入店客数も12.2%減と、ともに2カ月連続のマイナスとなった。調査対象は73社190店。
9月緊急事態宣言とまん延防止等重点措置による主要顧客の外出自粛などが影響した。半面、感染者数が減少するにつれ、中旬以降、売上げ・集客ともに一部回復傾向も見られた。
巣ごもり需要と高額品は引き続き好調だった。また各社が実施した外商催事や組織顧客向け施策などが業績を下支えした。なお、消費増税前の駆け込み需要があった2019年比では、売上高36.4%減、入店客数38.6%減。
顧客別では、国内市場4.6%減で2カ月連続減、インバウンドは42.4%増だったが、2019年比では88.1%減と厳しい状況に変化はない。
地区別では、大都市が3.5%減、地方は6.2%減と、大都市と地方の差は、前月より4.3ポイント縮小した。東京(0.7%増)と中部(5.7%増)の2地区は前年をクリアした。
商品別では、食料品がほぼ前年並み。物産展等食品催事のほか、和洋菓子や弁当、惣菜、和洋酒が好調だった。生鮮食品は低温による葉物野菜の高騰などもあり苦戦した。また、富裕層を中心に、ラグジュアリーブランドや時計、宝飾品など高額品への強いニーズは継続していて、美術・宝飾・貴金属は8カ月連続で前年実績を上回っている。衣料品は、ビジネス関連は厳しいものの、一部秋物商材やコート、ジャケット、セーターなどが動いた。
これから年末商戦が本格化するが、とくに受注がスタートしたおせちは、ECを中心に好調な滑り出しを見せている。