12月外食統計|営業制限解除で前年同月比109.5%/年間では前年比98.6%

一般社団法人日本フードサービス協会(東京都港区、赤塚保正会長)が12月の外食産業市場動向調査を発表した。調査企業数は前月より1社増えて225社、店舗数は170店減って3万6573店舗。ファストフードは前月から170店減って、2万1264店舗で全体の58%を占める。

飲食店への営業制限がなかった12月の全体売上げは、コロナ禍第3波の影響を受けた前年と比べて109.5%となったものの、 コロナ前の一昨年比では92.0%と、外食産業の売上は厳しい状況が続いている。年末の帰省需要など小人数の外食需要は一部、戻りがみられたが、全体としては夜間の外食需要は戻っていない。特に大口の企業宴会などが戻っていない飲酒業態は、一昨年比で未だ54.7%と回復には程遠い。店舗数が約一割減少するなど、外食業態そのものの構造が変容していることから、コロナ禍が収束しても元には戻らない可能性が高い。

業態別では、ファストフード業態全体の売上高は104.9%(19年比、101.3%、以下同)。「洋風」は103.6%(109.4%)、「和風」は来客が戻って107.7%(102.2%)となった。

ファミリーレストラン業態の全体売上げは112.9%(87.2%)、「洋風」は11月より大きく伸びて111.6%(81.6%)、「和風」も大きく伸びて112.9%(82.6%)。「中華」は19年比も上回って110.7%(102.0%)。「焼き肉」は119.0%(101.9%)。

パブ・居酒屋業態は深夜まで開店可能になったことによる集客効果があり、回復傾向だ。パブ・居酒屋業態全体の売上高は144.3%(54.7%)、「パブ・ビアホール」は160.2%(56.3%)、「居酒屋」は138.0%(54.0%)。

ディナーレストラン業態は、時短要請の解除で、売上げは124.8%(78.8%)と回復。

喫茶業態の売上げは111.9%(80.1%)。

なお、新型コロナ発生2年目となった2021年の年間売上高は前年比98.6%、一昨年比では83.2%と市場規模が縮小した。2021年1月は2回目の「緊急事態宣言」が、4月以降は「まん延防止等重点措置」等の規制が政府・各自治体から発令され、時短要請など営業制限が10月まで続いたことが要因。

特に規制に「酒類提供の制限・禁止」が加わったことで、制限期間中、飲酒業態の多くは休業に追い込まれ、「パブレストラン/居酒屋」の売上げは、2020年比で57.8%、コロナ前の2019年比では27.2%とコロナ1年目より更に市場は縮小した。規制解除後の第4四半期に入っても夜の需要は戻らず、外食産業の売上状況は依然として厳しい。

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