3月百貨店統計|売上高4260億円4.6%増/イベントや春物商材、新生活需要増
(一社)日本百貨店協会(東京都中央区、村田善郎会長)が2022年3月の「百貨店売上概況」を発表した。調査対象は73社190店で、前月から1店舗増加している。
3月の売上高は4260億3500万円で既存店前年同月比4.6%増、客数は2.9%増と、前月のマイナスから共にプラス転換した。 なお、2019年比では売上高15.2%減、入店客数27.8%減。
3月は、まん延防止等重点措置の解除による外出機会の増加や消費マインドの高まりに加え、各社が企画した外商催事や会員施策、各種イベントなどが寄与した。春物商材や増勢が続く高額商品の他、新生活需要を背景にオケージョンアイテムも好調に推移した。
顧客別では、国内市場は4.9%増で、2019年比では3.5%減と、コロナ前の水準に回復しつつある。ただしインバウンドは15.3%減、2019年比85.8%減と厳しい状況が続く。
地区別では、大都市全10地区で前年を超えて6.7%増と、、前月より4.7ポイント伸長した。とくに東京が11.3%増、大阪が6.8%増で好調だった。地方は関東と四国の2地区でプラスだったものの、全体では0.6%減と、前年には届かず。
商品別では、主要5品目のうち、家庭用品を除く4品目で前年実績をクリアした。ラグジュアリーブランドや、時計・宝飾などの高額品は10.8%増と引き続き高伸している。また、気温上昇等の天候与件や外出増加、オケージョン需要の回復で、コート、ジャケットなど春物衣料、卒入学や新生活アイテム、ブライダル関連も動いた。紳士服・洋品がプラス5.9%、婦人服・洋品がプラス6.2%。
食料品は、物産催事の他、惣菜や、手土産需要から菓子が好調で3.6%増だった。ホワイトデー、ひなまつりなど歳時記商材も健闘した。一方、生鮮食品は流通量減少による価格高騰が影響し、4.0%減と苦戦した。