6月百貨店統計|売上高4143億円11.7%増・客数19.3%増/4カ月連続プラス
(一社)日本百貨店協会(東京都中央区、村田善郎会長)が2022年6月の「百貨店売上概況」を発表した。調査対象は71社188店で、前月から1社1店舗減少している。
6月の売上高は4143億0019万円で既存店前年同月比11.7%増、客数は19.3増と、ともに4か月連続プラスとなった。 なお、2019年比では売上高11.3%減、入店客数23.1%減。ほぼ前月並みに回復基調を維持している。
前年の緊急事態宣言等対象地区における営業制限(一部売場を除く土日休業等)の反動と、外出機会の増加が寄与した。富裕層を中心に高額消費が引き続き活況だったほか、月後半の記録的に早い梅雨明けに伴い、夏物衣料や服飾雑貨、UVケア商品も動いた。
顧客別では、国内市場11.3%増とコロナ前の実績を超える店舗も見られた。インバウンドは政府による水際対策の段階的な緩和もあり47.9%増と伸長した。2019年比では、国内市場は7.0%減であったが、コロナ前の実績を超える店舗も見られた。インバウンドは76.4%減と、依然として厳しい状況にある。
地区別では、前月同様、全地区で対前年増となり、地方が3.9%増、前年8地区で緊急事態宣言が出された大都市は14.7%増となった。
商品別では、主要5品目全てプラスとなった。なかでもラグジュアリーブランドを含む身のまわり品(27.2%増)や、時計・宝飾等の高額品(25.7%増)、菓子(14.7%増)の3品目は高伸し、2019年実績も超える結果となった。また、猛暑などの天候与件から、日傘、帽子、サングラスなどの盛夏商材や、UV関連商品も好調だった。
化粧品は、一部海外ブランド等で価格引き上げ前の駆け込み需要も見られた。
食料品は、生鮮食品は世界情勢の影響等による入荷減や価格高騰、イエナカニーズの減少などから苦戦したが、手土産需要で和洋菓子が好調だったほか、父の日ギフトで酒類なども健闘した。
中元商戦前半は、各社とも、SNSを活用したWEB連動策や顧客ニーズに沿った商品展開を行っており、堅調に推移している。