2月外食統計|全体売上げは前年同月比123.5%・19年比103.8%

一般社団法人日本フードサービス協会(東京都港区、近藤正樹会長)が2月の外食産業市場動向調査を発表した。調査企業数は230社、店舗数は3万6690店舗。ファストフードは2万1076店舗で全体の57.4%を占める。2月の全体売上高は前年比123.5%、19年比でも103.8%となった。

コロナ感染の収束傾向、気温の上昇、マスク緩和への動きなどによる人流の増加が要因。しかし、もう一つの要因として、前月に引き続き原材料費、光熱費、物流費等の高騰により値上げの影響があるとみられる。そのため実質利益の面では厳しい経営状況が続いている。

ファストフード業態の全体売上高は110.2%、19年比では116.3%。「洋風」は、価格改定が相次ぐ中で、バリューキャンペーンが好評で、売上105.4%。「和風」は、朝食クーポンの配布などで固定客獲得に努め、売上112.4%。「麺類」は、客単価上昇と客数回復で、売上129.6%となった。「持ち帰り米飯/回転寿司」は、複数の回転寿司店をターゲットにした迷惑動画が一部店舗の客足に影響したが、値上げによる客単価の上昇で売上108.1%となった。「その他」は、「アイスクリーム」の店内・持ち帰り双方の増量キャンペーンが好評で、売上116.8%となった。

ファミリーレストラン業態の全体売上は前年比139.0%、19年比は95.1%となった。「洋風」は、年明けからの堅調な流れが続き、また価格据え置きの施策やお得なクーポンアプリなどが若い家族客をはじめ価格敏感層に訴求し、売上140.2%。「和風」は、気温上昇に伴い客数の増加が顕著で売上146.3%。「中華」は、好調なテイクアウトに加え、メディア露出効果もあり、売上118.5%。「焼き肉」は団体客の戻りも見られ先月から客足好調で、売上148.2%となった。

パブ・居酒屋業態は、昨年のような営業規制がなくなり、客数が回復基調で、売上283.9%と大幅に増加した。個人客やインバウンド需要の回復傾向に加え、企業等の大きめの宴会も少しずつ増えている。19年比では売上64.5%と、前月(1月)の19年比58.1%より6ポイントほど上昇した。ディナーレストラン業態は大企業の大規模な宴会は戻らないものの、個人客に加え、国内旅行の団体客やインバウンド客などが少しずつ回復し客単価が上昇、売上は169.4%となった。ただし、人手不足で需要に対応しきれないところもあり、19年比では88.9%となった。

喫茶業態は月後半を中心に客足が伸びたものの、オフィス街や夜間の来客はまだ戻りが弱く、売上は前年比140.3%、19年比89.2%となった。

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