帝国データバンクnews|「食品主要195社」5月値上げは「酒類・飲料」が最多
(株)帝国データバンク(東京都港区、後藤信夫社長)が5月度の「食品主要195社」価格改定動向調査を発表した。2023 年 5 月単月の値上げ品目数は、酒類・飲料や加工食品などを中心に 824 品目。今年 1 月以来 4 カ月ぶりの 1000 品目割れとなった。
2023 年における家庭用を中心とした飲食料品の値上げ品目数は、4 月 28 日までの判明ベースで累計 2 万 1205 品目に上った。また、今年 1月〜7 月までに値上げ済み・または値上げが予定される食品の累計品目数(2 万 0815 品目)は、前年同時期(22 年 1月~7 月:1 万0686 品目)に比べ約 2倍に上った。
値上げは4 月までの記録的ラッシュから一転して落ち着いた推移となったものの、前年同月(251品目)からは 3倍超に上り、4カ月連続で前年を上回る高水準が続く。
5 月の値上げで最も多い食品分野は「酒類・飲料」で 388 品目となり、単月全体の約半数を占めた。飲料製品の値上げが最多となるのは、22 年 10 月以来 7 カ月ぶり。「加工食品」ではサバ缶など中心に 183 品目、つゆ・たれ製品など「調味料」も 169 品目で値上げが実施される。
6月以降も値上げが続き、カップ麺などを中心に約 3300 品目の値上げが予定されている。7 月以降も輸入小麦の価格改定による影響や、生乳価格の上昇、電気代の引き上げなども背景に、値上げ対象はパンなど 2000 品目超に拡大するとみられる。
値上げのピークは今春を境にいったん過ぎたとみられるものの、値上げ圧力は幅広い食品・飲料に広がっており、今秋には年内 3 万品目の値上げが判明する可能性がある。
2023年に予定される値上げ 2 万品目のうち、原材料高が理由となったものは 99%(品目数ベース)と、ほぼ全てで原材料高が理由にあげられた。また、足元では電気・ガス代上昇に伴う値上げの割合が 6%(3 月末:5%)に拡大し、エネルギー価格高騰による影響が広がった。