5月スーパーマーケット統計|既存店2.5%増/総売上高1兆0184億円3.9%増
一般社団法人日本スーパーマーケット協会(JSA)、オール日本スーパーマーケット協会(AJS)、一般社団法人全国スーパーマーケット協会(NSAJ)のスーパーマーケット3団体が5月の販売実績速報値を発表した。3団体の集計企業数は270社、8378店舗。
総売上高は1兆0183億9309万円で既存店前年同月比は102.5%、全店では103.9%だった。
食品合計は9335億8145万円で既存店102.9%。生鮮3部門合計は、3450億6685万円で100.8%だった。
商品単価の上昇が続いているが、コロナの5類移行による人流活発化などもあって中食需要が伸びており、節約志向による内食需要も堅調で、売上高としては好調な販売動向が続いている。顧客は概ね値上げを受け入れている一方で、コモディティ商品については、より低価格の商品を求める傾向が強まっているとのコメントが多く見られた。
部門別では青果が1392億5873万円で既存店98.6%、全店99.9%。
全体的に相場安の傾向だったが、買上点数は伸び悩み、やや不調となった。一部には連休期間中の外出が増え影響を受けたとのコメントも見られた。前年の土物類高騰からの反動減の影響が続いている。気温がやや高く推移したことでトマトやきゅうり、レタスなどのサラダ関連野菜が好調に推移した。果実はやや相場高で、カットフルーツを中心に国産はイチゴや柑橘類、輸入果実はバナナやキウイフルーツが好調だった。
水産は866億5403万円で既存店101.3%、全店102.8%。
引き続き燃料費や養殖飼料の高騰、円安によって価格は高止まりしているが、GW期間中はまぐろを中心に刺身類が好調となった店舗が多かった。一方で雨天でバーベキュー需要が減少した店舗も見られた。塩干類は、値上げによる買上点数の落ち込みが少なく、比較的好調となった。入荷が比較的安定しているカツオやアジ、鮭類が好調だった。冷凍加工品の動きもよかった。うなぎは価格高騰により、好不調の判断が分かれた。
畜産は1191億5410万円で既存店105.6%、全店104.8%。
精肉全般で相場高が続いているが、豚肉や鶏肉では安価な部位を中心に好調となった。牛肉はGW期間中バーベキュー、焼肉用の動きが良かったが、和牛など高単価商品の動きは鈍かった。豚肉では国産にも回復傾向が見られたが、輸入の動きがよかった。鶏肉も高値が続いているが、好調に推移した。加工肉も含め、低価格商品に需要がシフトしているとのコメントが多かった。売上高は確保できても利益が出にくい状況が続いている。
惣菜は1134億9273万円で既存店104.4%、全店106.0%。
家庭での電気代・ガス代高騰や調理油の値上げで、天ぷら、コロッケなど揚物類の販売が依然として堅調に推移している。行楽需要やイベントの再開、オフィス出勤の再開基調による夕方以降の需要回復も継続している。とくに米飯類の動きがよかった。GW中は地方部で帰省が増え、オードブルや寿司、つまみ類や焼鳥などが好調だった。子どもの日や母の日関連商品も好調に推移した。
日配は2104億8466万円で既存店105.7%、全店106.9%。
値上げの影響が大きいカテゴリーとなっているが、買上点数の減少幅は小さく、一品単価が上昇したことで好調に推移した。鶏卵は価格高騰によって売上増となったが、北海道など一部地域で品薄の影響が依然強くなっている。冷凍食品は引き続き好調。チーズ、機能性乳酸菌飲料など、洋日配がカテゴリーの好調を牽引している。気温が高く推移し、飲料やアイスなど涼味商材の動きがよかった。
一般食品は2645億3721万円で既存店102.9%、全店104.1%。
レトルト食品やインスタント麺など、備蓄向けのカテゴリーは好調だったが、安価な商品への需要シフトも見られた。食用油や調味料などは値上げと家庭調理需要の継続に支えられ引き続き堅調に推移した。高い気温が続いたことや行楽需要の回復により、菓子類や飲料、酒類などが好調となった。不振が続いていた米類にも回復傾向が見られた。節約志向の高まりや、PB商品の伸長を指摘するコメントが多く見られた。
非食品は634億3923万円。既存店100.2%、全店101.3%。
マスクや除菌関連などの衛生用品は需要減少の影響を受けた。ペットフードや家庭用洗剤は比較的好調に推移した。トイレットペーパーなど紙製品の好調を指摘するコメントが多かった。カセットコンロやレジャーシートなど、行楽向け商品も好調に推移した。気温が高めに推移したことで、例年より早く虫ケア用品などが動いているとのコメントが見られた。
その他が213億7286万円で既存店96.1%、全店で96.7%。
エリア別では北海道・東北地方103.8%、関東地方が103.5%、中部地方が104.0%、近畿地方が101.9%、中国・四国地方が103.7%、九州・沖縄地方が103.6%。全エリアで既存店の伸びが前年を上回った。
1店舗当たりの平均月商は1億1820万円、売場1㎡当たり売上高は7.1万円だった。