8月外食統計|全体売上げは前年同月比116.6%・19年比105.2%
一般社団法人日本フードサービス協会(東京都港区、近藤正樹会長)が8月の外食産業市場動向調査を発表した。調査企業数は225社、店舗数は3万6443店舗。ファストフードは2万1194店舗で全体の58.2%を占める。
8月の全体売上高は前年比で116.6%、19年比では105.2%となった。
8月は、コロナ5類移行後の初めての夏休みシーズンとなり、人流回復がさらに進んだ。お盆期間後半に台風の影響があったものの、猛暑で季節メニューが引き続き好調だった。原発処理水の問題で、中国人訪日客の戻りは少ないが、インバウンド需要全体は堅調が続いている。だが店舗の人手不足は常態化しており、とくにピーク時間帯での人手不足感は大きい。
ファストフード業態の全体売上げは111.6%、19年比では116.8%。「洋風」は、恒例の季節商品の好評などにより109.0%。「和風」は、定番メニューの堅調に加え、深夜営業を再開する店舗もあり116.2%。「麺類」は、季節の新商品やラーメン業態のビール販売が好調で118.1%。「持ち帰り米飯/回転寿司」は、「回転寿司」がお盆の帰省需要などで地方の売れ行きが伸び106.1%。「その他」は、「アイスクリーム」が119.2%となった。
ファミリーレストラン業態の全体売上げは121.1%、19年比では96.4%。お盆期間を中心に夏休みの家族連れ需要が堅調だった。「洋風」は、価格訴求型のキャンペーンが奏功し121.9%。「和風」は、お盆の宴会が堅調で122.4%。「中華」は、ファミリー客の増加で117.6%。「焼き肉」は、夏休みで大学生など若年層の集客があり119.4%となった。
パブ・居酒屋業態の全体売上げは150.3%、19年比では66.5%。ビジネス街立地の店舗では、猛暑で昼間の集客が鈍ったが、ターミナル駅や商業施設の店舗は帰省客などの需要が旺盛だった。
ディナーレストラン業態の全体売上げは129.9%、19年比では売上げ93.6%。お盆の個人客の宴会が堅調で、インバウンド需要も原発処理水問題で一部に影響が見られたものの安定していた。
喫茶業態の全体売上げは123.8%、19年比では94.5%。台風により休業や時短営業を余儀なくされた店舗があったが、観光地や商業施設立地の店舗では客数が増加した。