カタリナnews|2023年版 消費者購買行動変化レポート発表
小売業向けデータ収集・分析を行うカタリナマーケティングジャパン(株)(東京都港区、ショーン・チュー社長)は 2月19日(月)、カタリナネットワークのデータを活用し、2022年と比較して2023年の消費者の購買行動にはどのような変化があったのかについて分析を行い、レポートとして発表した。
このレポートは、カタリナが扱う年間売上10兆円規模の実購買データをもとに構成されている。これは日本のSM・GMSの年間売上げの6割をカバーする規模に匹敵する。
カタリナネットワーク内で買物をした消費者の2023年の総購入金額は、2022年と比較し101.9%に増加した。しかし、1回当たり購入数量は前年比97.1%と3%ほど減少している。そしてそれとは逆に、平均購入単価は105.8%に上昇している。2023年は前年に比較しても値上げの傾向があり、それが平均購入単価の上昇として表れている。そのあおりを受けて消費者の反応が1回当たりの購入数量減少という結果になったと考えられる。
1回当たりの購入金額を見ると+68.3円(前年比102.7%)増加している。1回当たり購入数量(買物かごに入れる数)で見ると、0.3個(前年比97.1%)減少しているが、1商品当たりの平均購入単価が+13.5円(前年比105.8%)上昇していることにより、1回当たりの購入金額(買物金額)が増加している。
2023年の購買状況をカテゴリ別に見ると、全46カテゴリ中、9割を超える42カテゴリで前年の購入者数を割っており、特定のカテゴリというより全体的に減少していると言える。以下の図表は購入者数(ID数)の対前年比の減少が大きいカテゴリのTOP15。
2022年と比較し、2023年にもっとも購入人数(ID数)が増加したカテゴリはベースメイクだった。2023年は社会情勢がコロナ禍からの回復に向かったため、外出機会も増加し、それに合わせるかたちで需要が伸びたことが考えられる。
注目すべきは購入平均単価(赤字部分)が前年比減となっている点だ。ともするとベースメイクカテゴリの商品群が値下げされたというようにも見えるが、実態はそうではない。ベースメイクカテゴリの各商品を価格帯別に見てみると、3000円台の商品の購入金額は前年比で3.1%減少したが、それとは逆に1000円台の商品は前年比2.4%増加している。選ばれる価格帯が若干安いものに寄っていると言える。