7月外食統計|全店売上高4.3%増/夕立による「雨宿り需要」も
(一社)日本フードサービス協会(東京都港区、近藤正樹会長)が2024年7月の「外食産業市場動向調査」を発表した。調査企業数は228社、店舗数は3万6613店舗。ファストフードは2万0996店舗で全体の57.3%を占める。
7月の全体売上高は前年同月比104.3%で前年プラス。店舗数は99.6%で微減。客数は100.7%、客単価は103.6%。
前年より土・日が1日ずつ少なく、昨年同様の記録的な猛暑で一部で外出を控える傾向も見られた。それでも首都圏では夕立に見舞われたターミナル駅の店舗では「雨宿り需要」や、パリ五輪開幕の7月26日には一部業態で「持ち帰り需要」が伸びた。
業態別では、ファーストフード業態が104.2%。「洋風」は、五輪開幕後の持ち帰り需要で100.9%。「和風」は、24日の「土用の丑の日」にちなんだ鰻販売キャンペーンが奏功し、111.2%。「麺類」は、猛暑に対応した冷たいメニューやサイドメニューが好評で客単価が110.0%と上昇し、売上げは109.2%となった。
ファミリーレストラン業態は、104.2%となった。「洋風」は、昨年から改定が始まったデザートメニューが好評で、103.3%。「和風」は、曜日回りやゲリラ豪雨の影響を受けたが、受け入れられつつある価格改定やインバウンドの好調により、107.0%。「中華」は、各種キャンペーンやCMなどの販促施策が実を結び、108.8%。「焼き肉」は、曜日回りの影響に加えて、高単価業態への敬遠や相次ぐ空調設備の故障などが売上げを押し下げ、98.5%と下回った。
パブ・居酒屋業態は、103.4%。「パブ・ビアホール」では夜間の降雨で一部のビヤガーデンに支障が出たものの、全体的にはコロナ禍からの回復途上傾向が続いている。「居酒屋」でも人流回復傾向が継続し、訪日外客による利用もあり、好調だった。
ディナーレストラン業態は、曜日回りの影響で売上げ、客数とも前月に比べて、やや伸び悩んだ。また猛暑で外出を控える動きも若干見られたが、インバウンド需要は引き続き堅調で、売上げは102.8%となった。
喫茶業態は季節メニューが好評で、108.6%となった。また昨年から一巡した価格改定も消費者に受け入れられている。ゲリラ雷雨の雨宿り需要もあり、オフィスや駅ターミナル周辺の店舗は集客増となった。