8月百貨店売上速報|4社とも増収/猛暑続きで盛夏商品が好調

主要百貨店4社が8月の売上高速報を発表した。既存店売上高は三越伊勢丹百貨店は前年比100.7%、大丸松坂屋百貨店は108.6%、阪急阪神百貨店は105.0%、高島屋は106.6%だった。

(株)三越伊勢丹ホールディングス(東京都新宿区、細谷敏幸社長)の国内百貨店売上げ合計は前年同月比で100.7%。伊勢丹新宿本店の店頭売上げは92.1%、三越日本橋本店は109.2%、三越銀座店は108.2%、伊勢丹立川店は101.8%、伊勢丹浦和店は104.8%。首都圏5店で既存店99.1%となった。

売上高の中核である識別顧客売上高が堅調に推移した。人とデジタルで繋がった顧客への提案が進化し、引き続き強い支持を受けている。相対的にシェアは高くないものの、海外顧客売上高についても順調に回復している。

「Disney THE MARKET 2025 in 日本橋三越本店」や「SHINJUKU ART WEEK ブルーロック×伊勢丹」など、関心度の強いコミュニティに対する高感度で上質な提案が支持され、識別化のきっかけともなっている。

J.フロントリテイリング(株)(東京都中央区、好本達也社長)は、大丸松坂屋百貨店合計が既存店前年同月比108.6%。博多大丸、高知大丸を含む百貨店事業全体でも106.9%だった。

8月度の売上高は、月の後半も高い気温が続いたことにより、ブラウスなどの衣料品を中心に盛夏商品が好調だったことに加え、訪日外国人売上高が前年実績を上回ったことなどから、前年実績を上回った。

店舗別では、15店舗中9店舗が前年を上回った。梅田店が対前年約3割増となったほか、免税売上高が好調な心斎橋店、神戸店などが対前年プラスとなった。

大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高(速報値)は、ラグジュアリーブランドなどを含む一般品が前年実績を下回ったことにより客単価が低下したものの、化粧品を含む消耗品が大きく売上を伸ばしたことなどから、対前年6.7%増(客数同24.9%増、客単価同14.6%減)となった。

エイチ・ツー・オーリテイリング(株)(大阪市北区、荒木直也社長)の(株)阪急阪神百貨店(大阪市北区、山口俊比古社長)の売上高は前年同月比105.0%、阪急本店が103.1%、阪神梅田本店が118.3%だった。

阪急本店の大型改装に伴う売場閉鎖のマイナス影響が継続するなか、国内売上高は前年実績を上回った。また、
免税売上高が前年に近い水準まで復調して都心店が売上げの趨勢を回復し、各店とも前年実績を上回った。全店として、2025年3月に前年の売上高を下回って以降、5カ月ぶりに前年実績を上回った。

阪神梅田本店は改装で導入したファッションブランドや大型専門店が引き続き順調に推移し、ファッションとライフスタイルカテゴリーの売上高は前年の約3割増で伸長。店舗全体としても前年売上高に対し約2割増と好調を継続した。5月にリモデルした川西阪急スクエアも売上高前年対比が約1割増と好調に推移した。

(株)高島屋(大阪府大阪市、村田善郎社長)の既存店売上高は、高島屋単体の10店舗で前年同月比106.6%、国内百貨店子会社3社を加えても106.6%だった。

8月度の店舗別売上高は、大阪店110.9%、京都店102.2%、泉北店101.3%、日本橋店109.4%、横浜店108.7%、玉川店110.3%、大宮店108.4%、柏店104.8%、EC店115.3%、岡山店109.4%、高崎店104.1%と11店舗で前年実績を上回った。

商品別売上高(同社分類)は紳士服、婦人服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、呉服、子ども情報ホビー、スポーツ、リビング、美術、食料品、食堂、サービスが前年実績を上回った。

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