9月SC統計|既存SC売上高1.4%増/秋物衣料不振も雑貨・飲食など他業種が補う
(一社)日本ショッピングセンター協会(東京都文京区、菰田正信会長)が2025年9月の「SC販売統計調査」を発表した。調査対象は559ショッピングセンター(SC)。

9月度の既存SC売上高は、前年同月比1.4%増加した。全国的に残暑の影響が強く、9月後半まで気温が下がらなかったことで秋物衣料が苦戦した。一方、雑貨や秋メニューが始まった飲食は堅調に推移したほか、館のポイント施策やイベント開催などが来館につながり、前年を上回った。43カ月連続で昨対プラスとなっている。

立地別に見ると、中心地域は総合で3.4%増、周辺地域は0.5%増。中心地域・周辺地域ともにテナント入れ替えや改装効果、館内外でのイベント開催が来館増に寄与したSCが多かった。

地域別で増加したエリアは、近畿の2.9%増、九州・沖縄2.4%増、関東1.7%増、北陸1.1%増、四国0.8%増。中部は0.0%の横ばい。一方、中国は3.1%減、北海道と東北は0.5%減とマイナスだった。

業種別では、「ファッション」は残暑が長引き、気温が下がらなかったことで秋物衣料の立ち上がりが鈍く、全国的に苦戦した。多くのテナントで夏物セール品や薄手のカットソー、羽織り物が中心となり、客単価が低下した。9月後半は気温が低下し、館のポイントアップなどの販促施策が重なったタイミングで、秋物衣料の稼働がみられた。
「雑貨、その他物販」は、キャラクター雑貨が好調だったほか、旅行需要による鞄の稼働、ハロウィン関連商材の展開がみられた。
「飲食」は全国的に堅調で館の売上げを牽引、秋の味覚を使った季節メニューが好調との声が聞かれた。観光立地のSCでは国内外旅行客や修学旅行生による利用が目立った。「食物販」は国内外旅行客の来館により土産品が稼働した。
「サービス」は引き続きシネマが好調で、シネコン来場客の飲食利用など館全体への波及効果がみられた。
