7月の既存店売上げは総合スーパーとコンビニ▲、スーパーマーケット○で9月を展望する
総合スーパー、食品スーパーマーケット、コンビニの7月度販売統計が出揃った。
総合スーパーは主に日本チェーンストア協会。スーパーマーケットは三協会合同調査、コンビニはフランチャイズチェーン協会。
増税後の回復を期待した7月だったが、悪天候で夏物商材が動かず、全体でみると消費は伸び悩んでいる。
唯一、スーパーマーケット業態が、既存店では4カ月ぶりにプラスに転じたが、利益頭の加工食品が前年割れのままだ。
8月は西日本と北日本が天候不順で厳しいと予想されている。
8月以降、はたして景気は上向くのか。消費は動くのか。
7月の各協会が発表した数値を、自社と比較して、9月以降の消費喚起対策を練ってほしい。
総合スーパー
「チェーンストア販売統計(月報)」 平成26年度7月速報(日本チェーンストア協会発表)
全部門マイナスで、残念ながら既存店は4カ月連続割れ
統計は会員企業60社、店舗数9252店の集計。
この売り上げのほぼ半分が総合スーパーのもの。
7月の総販売額は1兆877億2382万円で、昨対プラス0.8%となった。
しかし既存店ではマイナス2.1%と、4カ月連続のマイナスであった。
店舗数は先月より24店増え、昨年同月比では1129店増。
畜産は相場高の影響もあり好調だった。
また、水産品・惣菜も好調だったが、農作品は不調。
その結果、食料品は全体でマイナスとなった。
総合スーパーは食品の売上げ減少は、客数ダウンを意味する。
衣料品・住関品は梅雨明けの遅れや天候不順の影響で夏物商品が売れず、4カ月連続のマイナスの主な原因となった。
既存店でみた部門別の売上高は以下の通り。
食料品 マイナス0.5%
衣料品 マイナス8.6%
住関品 マイナス2.7%
サービス マイナス8.8%
その他 マイナス4.1%
特に衣料品の8.6%減は、打撃が大きい。
コンビニ
(日本フランチャイズチェーン協会発表)
4カ月連続の前年割れも客単価はプラス
コンビニ統計は会員コンビニ本部10社が調査対象。
ココストア、サークルKサンクス、スリーエフ、セイコーマート、
セブン-イレブン・ジャパン、ファミリーマート、ポプラ、
ミニストップ、デイリーヤマザキ、そしてローソン。
従ってこの統計は大手コンビニを網羅し、日本のコンビニ全体のトレンドを正確に表している。
7月の店舗売上高は、全店ベースで8841億5100万円で昨対プラス3.3%。
既存店では8030億0600万円のマイナス0.7%。4カ月連続の前年割れとなった。
ただし、たばこの売上げ減少分を考慮すると、前年よりもプラスになる。
店舗数は先月より262店舗増え5万0863店。
昨年同月との比較では6.4%も伸びている。
梅雨明けの遅れ、全国各地で局地的な大雨の多発、
さらには台風8号の襲来など、天候要因が客足を遠のかせた。
来客数の既存店前年同月比はマイナス1.4%。
これで5カ月連続マイナス。
しかし一方で、既存店客単価は617円でプラス0.7%と前年を上回っている。
4カ月ぶりにプラスに転じている。
これはコーヒーなどのカウンター商材が好調の影響。
「コンビニに来たついでにコーヒーも」という客が増加し、
買い上げ点数が増えている。
全店ベースではマイナス0.6%なので、
去年よりもコンビニコーヒーが浸透してきていると推測できる。
商品別の売上高既存店昨対は以下の結果となった。
日配食品 プラス1.2%
加工食品 マイナス1.1%
非食品 マイナス3.7%
サービス プラス8.3%
サービスの伸びは相変わらず大きい。
スーパーマーケット
(オール日本スーパーマーケット協会、日本スーパーマーケット協会、新日本スーパーマーケット協会の発表)
既存店プラスに転ずるも稼ぎ頭のグロサリーはマイナス
3協会所属のスーパーマーケット企業285社、総店舗数は7336店の統計。
7月のスーパーマーケットの総売上高は8229億828万円。
全店では前年同月比プラス2.3%、既存店でもプラス0.2%。
食品合計が7226億5007万円で既存店昨対プラス0.7%。
生鮮3部門が2655億4935万円でプラス2.9%、
部門別にみると、
青果が1050億7904万円でマイナス0.7%、
水産は750億4662万円のプラス2.5%、
畜産が854億2369万円、プラス8.1%で依然好調。
惣菜は777億3348万円でプラス2.1%、
日配が1587億704万円でプラス0.5%、
一般食品は2206億6020万円のマイナス2.1%。
非食品は684億725万円でマイナス3.9%、
その他が318億5096万円、マイナス4.2%。
今月の統計概況の発表は新日本スーパーマーケット協会副会長の増井徳太郎さん。
「畜産は相場高の影響で前年比プラス8.1%と大幅に伸長した。しかし台風・梅雨明けの遅さの影響により、季節商品が苦戦し、非食品マイナス3.9%、その他がマイナス4.2%となった。一般食品では、増税の反動が抜けているところもあれば、抜けていないところもある。マイナス2.1%となったため、引き続き厳しいと答える企業が多かった」
そのうえで、増井さんは9月の展望を語った。
「9月には防災の日があるので、備蓄品など買い置きなど、前もって呼び掛けていく必要がある」
9月1日が防災の日。そして9月は防災月間。
スーパーマーケットに限らず、こういったイベントの際の強力なプロモーションは必須。
「早仕掛け・早仕舞い・際の勝負」
三業態ともに、ますます早仕掛け競争が過激化しそうだ。
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