平成27年4月商業動態統計速報は前年同月比で著しい消費回復を示した!!
経済産業省から、平成27年4月分の商業動態統計速報が発表された。既に、それぞれの協会から調査結果が報じられているが、役所が客観的な立場から、総括的に集計して、報告がなされる。もちろん有益であることは論を待たない。昨年、消費増税後の販売動向は激減した。その反動があるから、今年の4月は前年同月比が好転した。どのくらい好転したのか、そこに注目が集まる。
しかし商業販売額総計は37兆9980億円(前年同月比 プラス2.7%)。
季節調整済前月比はプラス0.6%であった。
1.卸売業の販売額は、26兆4350億円(前年同月比 プラス1.8%)。
季節調整済前月比はプラス0.8%であった。以外に伸びがなかった。
業種別で前年同月比で増加となったのは、食料・飲料の二桁を筆頭に以下のとおり。
食料・飲料 12.8% 、
医薬品・化粧品 9.3% 、
農畜産物・水産物 5.2%、 その他 3.6%、
機械器具 1.7%、 繊維品 1.4%、
衣服・身の回り品 0.3%
一方減少したのは、鉱物・金属材料▲7.8%、
家具・建具・じゅう器▲4.6%、
化学製品▲4.6%、 建築材料▲3.6%、 各種商品▲0.1%である。
その中で大規模卸売店販売額は、8兆5367億円(前年同月比 マイナス0.5%)となった。
増加したのは、医薬品・化粧品 10.8%、
その他の機械器具 9.3%、 食料・飲料 7.9%であった。
減少したのは、石油・石炭▲24.9%、 化学製品▲4.4%、
鉄鋼▲1.5%、 建築材料▲0.6%、 一般機械器具▲0.2%
医薬品・化粧品が二桁の増加となったが、石油・石炭の24.9%の減少が全体の足を引っ張った。
2.小売業の販売額は、11兆5620億円(前年同月比 プラス5.0%)。
季節調整済前月比プラス0.4%であった。
業種別で前年同月比で増加となったのは以下のとおり。
機械器具 11.0%、 各種商品 10.0%、 自動車 8.2%、
飲食料品 6.3%、 医薬品・化粧品 5.4%、
織物・衣服・身の回り品 5.0%、 その他 4.3%
一方減少したのは燃料で、9.1%のマイナスとなった。
3.大型小売業の販売額は、1兆6082億円(前年同月比 プラス9.5%)となった。
季節調整済前月比はマイナス1.6%であった。こちらは大幅伸長。
百貨店の販売額は5223億円(前年同月比 プラス13.2%)。
主力商品である衣料品の全体では前年同月比プラス11.9%。
詳細は、その他の衣料品 22.7%、 身の回り品 18.7%、
紳士服・洋品 10.1%、 婦人・子供服・洋品 8.4%とすべてプラスとなった。
飲食料品もわずかながら2.7%のプラスとなった。
その他全体では前年同月比プラス27.2%。
詳細は、その他の商品 35.6%、 家庭用電気機械器具 21.3%、
家庭用品 16.5%、 家具 11.8%、 食堂・喫茶 0.9とプラスが並ぶ。
先日日本百貨店協会から発表された売上概況によると、4月の全国百貨店売上高は4722億5823万円、13.7%のプラスであった。売上高に差がみられるが、協会の数値は加盟企業の総計、経産省の数値は地方の自称「百貨店」を含む。しかしどちらも13%台のプラスを計上し、好調であることを示している。
スーパーの販売額は、1兆0859億円、プラス 7.9%であった。
衣料品の全体では前年同月比プラス6.6%。
詳細は、その他の衣料品 9.6%、 身の回り品 9.5%、
紳士服・洋品 5.5%、 婦人・子供服・洋品 5.5%
スーパーの主力商品である飲食料品は8.0%プラスとなった。
その他全体では前年同月比プラス8.0%。
詳細は、家庭用電気機械器具が33.6%と好調。
その他の商品 7.1%、 家庭用品 6.8%、 家具 4.5%もプラス。
食堂・喫茶はマイナス15.2%とふるわなかった。
大型小売店を、前年同月比、既存店でみるとプラス8.6%。
百貨店はプラス13.7%、スーパーはプラス6.3%となった。
日本チェーンストア協会の4月の販売統計によると、総販売額は1兆0829億5469万円。プラス7.8%とかなり近い数字が出ている。
4.コンビニエンスストアの販売額は8792億円(前年同月比 プラス8.4%)。
商品販売額は、8328億円(前年同月比 プラス7.9%)となった。
商品別にみると
ファストフード及び日配食品は3236億円(プラス4.0%)
加工食品は2330億円(プラス5.2%)
非食品は2761億円(プラス15.5%)
サービス売上高は464億円(プラス18.0%)となった。
日本フランチャイズチェーン協会の「コンビニエンスストア統計調査月報」でみると、既存店ベースで、売上高は7415億0400万円、前年比プラス4.0%となっている。この数字の違いは全店統計と既存店統計の差異だが、協会は加盟10チェーンの正確な統計、経産省は全体を掴もうとした統計。
小売業の大幅回復に対して、卸売業は意外に小さな回復幅。その小売業の大型小売業は百貨店とスーパー(総合スーパーと食品スーパー)に分けられるが、これらは良かった。それ以外には、コンビニの集計。コンビニの数値が、日本全体の商業の趨勢をあらわしていると見るのが、妥当なのだろう。百貨店、スーパーは企業差、個店差がある。コンビニにもそれはあるが、全体で見ると潮流を示す。それが日本商業の特徴でもあるし、消費動向を表す指標と考えることができる。
だとすると、今年4月は、昨年の4月からの回復、著しかった。そう総括できるだろう。
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