日本チェーンストア協会6月の販売統計は0.3%プラスで「微増の6月」を象徴

スーパーマーケット、コンビニ、百貨店に続き、今日は22日に日本チェーンストア協会から発表された売上概況をお伝えする。協会会長は清水信次さん。DSCN2221-1
加盟企業数は59社と先月と変わらず、店舗数は13店増えて9370店。59社のうち総合スーパーを主体にする企業はイオンのイオンリテール、ダイエー、それからイトーヨーカ堂、ユニー、イズミ、平和堂、オークワ、ベイシア、、イズミヤ、フジ、天満屋ストア、福田屋百貨店、それから義津屋。これらの会社の総売上高は日本チェーンストア協会の年間販売額の半分ほどを占める。一方、スーパーマーケットは38社でこれも協会内では大勢力。
従って、総合スーパーの売上げトレンドを知るにはこの統計が一番適しているが、今後、より厳密に業態別に販売統計を集計してもらいたいところだ。

その6月の総販売額は1兆0699億5432万円。
比較対照が可能な既存店ベースでは前年比プラス0.3%と微増ながら、3カ月連続のプラスとなった。

内訳を見てみよう。
食料品が6918億2871万円、プラス2.8%
衣料品が998億4728万円、マイナス6.7%
住関連が2150億0767万円、マイナス2.0%
サービス29億7350万円、マイナス2.1%
その他602億9716万円、マイナス6.8%

食料品だけが好調に推移した。しかし衣料品、住関品などの季節商品は気温低下の影響をうけ、マイナスと苦戦した。

食料品を部門別で見ると、
農産品 プラス7.7%
畜産品 プラス3.2%
水産品 プラス1.8%
惣菜  プラス6.5%
その他食品 プラス1.0%
各カテゴリーがすべてプラスだった。特に相場高の影響があった農産物と惣菜が健闘した。

好調だった商品は以下の通り。
農産品は、ジャガイモ、キャベツ、トマト、きのこ類、カット野菜。
果物ではさくらんぼ、ブドウ、モモ、バナナなどが好調。
畜産品は、牛肉、豚肉、鶏肉。鶏卵の動きも良かった。
水産品は、マグロ、カツオ、はまち、刺身の盛り合わせ、生鮭、うなぎ、シラス。
惣菜は、温惣菜では揚げ物、スナック。
要冷惣菜は、和惣菜、洋惣菜、米飯は良かったが寿司の動きは鈍かった。
ほかに、乳製品、ヨーグルト、食用油、インスタント麺、調味料、冷凍食品は好調だったが、アイスクリームなどの涼味関連商品は不調と気温低下の影響を受けている。

衣料品は気温低下の影響を受けて以下のとおり。
紳士衣料 マイナス9.8%
婦人衣料 マイナス8.9%
その他の衣料・洋品 マイナス3.9%
すべてマイナスと不調に終わった。

その中でも好調だった商品は、
紳士衣料では、長袖カッターシャツ、カジュアルジャケット、ポロシャツ。
婦人衣料は、スーツ、ジャケット、ブラウス、カーディガン。
その他衣料は、婦人・子供レイングッズは好調だったが、帽子や日傘などの季節商材も不調に終わった。

住関品では
日用雑貨品 プラス1.1%
医薬・化粧品 マイナス2.4%
家具・インテリア マイナス4.4%
家電製品 プラス0.1%
その他の商品 マイナス2.1%
マイナスのカテゴリーが多く、プラスだった日用雑貨品、家電製品も微増となった。

好調だった商品は、
日用雑貨品は、紙おむつ、ペーパー類、調理器具、ランドセル。
医薬・化粧品は、カウンセリング化粧品、医薬品。
家具・インテリアはインテリア家具、インテリア小物、マットレス。
家電製品は、洗濯機、掃除機、ブルーレイレコーダー。
その他商品は、フィットネス関連用品、ペット用品、トラベルバッグ。

6月の総合スーパーも、すでにお伝えしたスーパーマーケット、コンビニ、百貨店と同じで、気温低下など天候に大きく影響され、全体としては微増に終わった。不調だった商品がそれを物語っている。例えば、アイスクリーム・飲料などに涼味関連商品、衣料では日傘、帽子、紳士ショートパンツ。医薬・化粧品では制汗剤、日焼け止め、殺中剤、防虫剤。家電製品ではエアコン、扇風機など、いずれも夏に向けての商品が不調であった。ただ、この商品は梅雨明けから確実に売上げをのばすであろうカテゴリーである。

日本チェーンストア協会は27年1月~6月までの上半期の販売動向も発表した。

総販売額  6兆4525億2700万円
前年同期比 店舗調整前 101.1%  店舗調整後 100.0%

1月  食料品が好調。衣料品は冬物商品が苦戦。住関品も不調。
2月  食料品は引き続き好調。春物衣料が動き始める。家電製品は反動で苦戦。
3月  その他食品を除いた食料品が好調に推移。衣料品、住関品で駆け込み需要のあった商品群が不調。
4月  駆け込み需要の反動要因の影響で、食料品、衣料品、住関品ともに好調。
5月  相場高の影響で、食料品は好調に推移。衣料品、住関品も季節商品の動きが良かった。
6月  相場高の影響もあり食料品は好調。衣料品、住関品が気温上昇の遅れの影響で伸び悩むがプラスを確保。

6カ月の概況としては、食料品が毎月ごとにまずまず好調の成績を収め、他の衣料や住間品は天候に左右された半年であった。
6月の小売概況を総合的に概観し、それを大づかみしようとするとき、日本チェーンストア協会の数値が適している。6月の小売業はスーパーマーケットやコンビニの業態が鮮明な統計結果と同様に、総合も微増だった。

まさに「微増の6月」と総括することができる。

最後に10年間の上半期の数値を時系列で発表。この2年間は100%、それまではマイナストレンド。
それよりも協会加盟企業数が10年間に3割も減少している。総合スーパーの顔ぶれが減っていることに驚かされる。

20150723deily
(*日本チェーンストア協会 月次統計より)

検索ワード;日本チェーンストア協会 総合スーパー スーパーマーケット コンビニ

 

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