8月のSCは前年同月比プラス1.6%、金沢・富山の駅前は驚異のプラス26.8%!

一般社団法人日本ショッピングセンター協会が8月のショッピングセンター(SC)販売統計調査を発表した。8月の既存SCの売上げは4624億6905万円で、前年同月比プラス1.6%となり、2カ月連続となった。

テナント、キーテナント別販売動向をみると、テナントは3315億9296万円で2.0%プラス。キーテナントは1308億7610万円、0.8%プラス。物販以外の飲食とサービスとの回答が多かったが、好調だったのは物販では雑貨や化粧品となっている。一方、不調業種は婦人衣料でテナント、キーテナントとともに同様の結果だった。猛暑の影響で夏物衣料は好調であるはずだが、急な気温低下に秋物衣料が乗り遅れたか。

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(一般社団法人日本ショッピングセンター協会 SC販売統計調査報告2015年8月より)

既存SC売上高プラスの主な要因は、こう分析されている。
①月上旬、猛暑日が続き夏物商材が順調に推移したこと。
②インバウンド・国内旅行需要が旺盛だったこと。
③夏休み期間中のイベント効果がみられたこと。
④地域プレミアム商品券の効果があったこと。
⑤リニューアルによって、新テナントが導入されたこと。

8月上旬の猛暑日の影響はプラスをもたらしたが、後半は台風や長雨で気温が低下し、秋物の需要はあったものの、前半ほどの勢いはなく、プラス1.6%となった。この天候要因は、ここ数日続けて報告している、小売業、外食産業と同様に、SCの売上げに影響を与えている。

地域別に見ると、中国地方がマイナス0.9%となった以外はプラスを計上し、特に北海道4.2%、九州・沖縄3.1%、北陸2.9%の3地域は高い伸びを示した。この3地域の数字は、まるで旅行会社の国内人気観光スポットの結果のようだ。まさに夏休み効果といってよいだろう。日本人旅行者も訪日外国人も旅先でSCを訪れ、買物を楽しんだことがわかる。

特に北陸新幹線効果は強く、金沢・富山の駅前の伸びはなんと26.8%であった。
金沢には、金沢フォーラス(イオンリテール)、イオンタウン金沢示野(イオンタウン)、富山には、マリエとやま(富山ターミナルビル)、アリスショッピングセンター(五福興産)などがある。

この結果をみると、SCの売上げは地元の顧客はもちろんだが、それにも増して旅行者の影響が強いことがみえてくる。観光地のSCは、インバウンドの外国人旅行者や国内旅行者にとって土産物などのショッピング、および飲食の場として、大事な買物空間となっている。また8月はお盆休みで帰省した際、故郷のSCに家族で訪れ、ショッピング、シネコン、食事を楽しむ光景が多く見られたとの回答が多かった。町の映画館はすっかり衰退しているが、SCの中のシネコンは賑わっていて、設備は新しいし、サービスも充実している。SCは世界的に、買物だけでなく、娯楽を提供する役目も担っていて、そのトレンドは強まるばかりだ。

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