経済省8月「商業動態統計調査」、ドラッグストアが7.8%増と相変わらず好調!
平成27年8月分の商業動態統計速報が、9月30日に経済産業省から発表された。
先月より家電大型専門店、ドラッグストア、ホームセンターもこの調査に組み入れられた。さらに全体像が鮮明になり、消費産業の動静が明らかになるだろうとお伝えしたが、その鮮明になった8月の動向はどうであったか。
商業販売額(税込み)は36兆7370億円(前年同月比マイナス0.3%)。その季節調整済前年同月比はマイナス1.8%となり、猛暑の8月は残念ながら不調であった。
1.卸売業販売額の動向
販売額は、25兆1890億円(前年同月比マイナス0.8%)。季節調整済み前年同月比は、マイナス0.4%。
業種別で前年同月比でプラスとなったのは、以下のとおり。
食料・飲料 9.7%、農畜産物・水産物4.6%、医薬品・化粧品 4.6%、繊維品1.7%、
建築材料0.5、衣服・身の回り品0.2%だった。
一方減少したのは、鉱物・金属材料▲8.8%、その他▲7.1%、化学製品▲5.4%、
機械器具▲1.9%、各種商品▲1.2%、家具・建具・じゅう器▲1.1%の減少だった。
大規模卸売店販売額は7兆7142億円となり、前年同月比11.1%のマイナスとなった。
商品別にみるとプラスになったのは、その他輸送用機械器具が45.2%、
紙・紙製品が6.3%、繊維品が5.2%。
一方マイナスは、一般機械器具▲35.4%、非鉄金属▲27.4%、石油・石炭▲26.2%、
鉄鋼▲21.7%、その他の商品▲15.9%の減少だった。
その他輸送用機械器具が45.2%と大きくプラスを計上したが、マイナスの商品が全て二桁減となり、全体でも11.1%のマイナスであった。
(表はすべて経済産業省の「商業販売額の動向」より)
2.小売業販売額の動向
販売額は、11兆5480億円、(前年同月比プラス0.8%)。季節調整済みでは0.0%と横ばいとなった。
業種別で前年同月比で増加となったのは以下のとおり
機械器具4.8%、織物・衣服・身の回り品4.5%、自動車3.8%、飲食料品3.5%、
その他3.4%、医薬品・化粧品2.1%、各種商品1.9%。
一方、減少したのは先月と同様で燃料だけで▲10.6%であった。
3.百貨店・スーパー販売額の動向
販売額は、1兆6057億円(前年同月比プラス2.6%)。季節調整済もプラス0.7%となった。既存店では1.8%のプラス。
(百貨店)
百貨店は4832億円(前年同月比プラス2.0%)。季節調整済3.4%増。既存店は2.7%プラス。
主力商品である衣料品は、全体でプラス1.1%。
詳細をみると身の回り品4.9%だったが、婦人・子供服・洋品▲0.7%、紳士服・洋品▲0.4%、
その他の衣料品▲0.3%と減少項目が多かった。
飲食料品は▲1.4%。
その他は、全体でプラス6.9%。
詳細をみると、その他の商品プラス11.0%と好調であったが、家庭用品▲2.8%、
家具▲1.3%、食堂・喫茶▲1.2%、家庭用電気機械器具▲0.8%であった。
日本百貨店協会から発表された8月の全国百貨店売上高は総額で4362億5234万円。前年同月比2.7%増となり、経済省の数字とかなり近いものだ。
(スーパー)
ここでいう「スーパー」は総合スーパーと大手食品スーパーだが、月商1兆1225億円(前年同月比プラス3.2%)。季節調整済1.0%の上昇。既存店は1.4%プラス。
衣料品全体では前年同月比プラス1.9%。
商品別でプラスとなったのは、身の回り品5.9%、その他の衣料1.5%
紳士服・洋品は0.9%。婦人・子供服・洋品が0.8%。
そして、スーパーの主力商品である飲食料品は3.3%プラスだった。
また、その他は全体では前年同月比プラス3.9%。
商品別では、家庭用電気機械器具プラス24.8%大きな伸び。
また家具プラス4.5%、その他の商品も3.5%の増加となった。
マイナスは、食堂・喫茶▲14.1%、家庭用品▲1.8%。
ちなみに日本チェーストア協会発表の8月のチェーンストアの総販売額 1兆1283億3836万円。 既存店前年同月比プラス2.0%。この数字も経済省と近いものであった。
4.コンビニエンスストアの動向
商品販売額及びサービス売上高は9961億円(前年同月比プラス5.5)。
内訳は商品販売額が9449億円(プラス5.5%)、サービス売上高は551億円(プラス5.3%)。
商品別にみると、
ファストフード及び日配食品は3793億円(プラス8.5%)
加工食品は2729億円(プラス6.4%)。
非食品は2927億円(プラス1.1%)と、プラスが並んだ。
日本フランチャイズチェーン協会から発表されたコンビニエンスストアの報告は、店舗売上高は、全店では、9226億0900万円、前年同月比は(プラス5.2%)。30カ月連続のプラス。既存店は、8441億8300万円(プラス1.7%)。5カ月連続のプラス。
5.家電大型専門店販売額の動向
販売額は、3780億円(前年同月比プラス6.0%)。
商品別でプラスとなったのは、その他22.2%、生活家電18.5%、
情報家電▲12.9%、通信家電▲5.7%、カメラ類▲4.0%、AV家電▲2.1%。
6.ドラッグストアの販売額の動向
販売額は、4526億円(前年同月比プラス7.8%)。
商品別では、ビューティケア(化粧品・小物)13.5%、健康食品13.4%、
食品9.0%、OTC医薬品7.3%、ヘルスケア用品(衛星用品)・介護・ベビー6.3%、
トイレタリー5.7%、家庭用品・日用消耗品・ペット用品5.3%、
その他3.2%、調剤医薬品1.8%。相変わらず全てプラスと好調だ。
7.ホームセンターの販売額の動向
販売額は、2862億円(前年同月比プラス3.6%)。
商品別でプラスとなったのは、園芸・エクステリア9.1%、カー用品・アウトドア7.4%、
電気7.4%、家庭用品・日用品3.9%、ペット・ペット用品2.9%、
DIY用具・素材1.6%、オフィス・カルチャー1.3%、インテリア1.2%。
マイナスはその他で▲1.4。
8月の統計調査の結果は、卸売業▲0.8 %以外は全てプラスであった。
小売業0.8%、百貨店2.0%、スーパー3.2%、コンビニエンス5.5%、
家電大型専門店6.0%、ドラッグストア7.8%、ホームセンター3.8%
この中で商品別実績が全てプラスを計上したのは、コンビニエンスとドラッグストア。
特にドラッグストアの伸びは大きく、健康食品、ビューティーケア(化粧品・小物)が二桁のプラスとなっている。これには日本人ならず訪日外国人の売上げが大きく影響している。中国人観光客は、健康食品、化粧品だけでなく、目薬、胃腸薬などOTC医薬品、さらに「漢方薬」まで爆買している。日本の安全、安心、信頼度は世界中から認められ、また求められている。
環太平洋戦略的経済連携協定が大筋合意に達した。日本企業はこの分野の「国際的信用」をさらに維持向上させていく必要がある。
検索ワード : 経済産業省 商業動態統計調査 8月動向 卸売業 小売業 ドラッグストア