9月のSCは前年同月比プラス2.9%、シルバーウィークで観光地が好調!

9月のショッピングセンター(SC)販売統計調査が、一般社団法人日本ショッピングセンター協会から発表された。サンプル数は486SC、回答率は48.6%。9月の既存SCの売上げは4286億2087万円で、前年同月比プラス2.9%となり、3カ月連続増となった。

テナント、キーテナント別販売動向をみると、
テナントは3165億4717万円で3.4%プラス。
好調業種は飲食、雑貨、サービス。
一方不調だったのは、婦人衣料、貴金属・時計という声が多かった。

キーテナントは1120億7470万円、1.7%プラス。
生鮮食品・加工食品が好調だった。

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(一般社団法人日本ショッピングセンター協会 SC販売統計調査報告2015年9月より)

9月の既存SC売上高プラスの主な要因は、こう分析されている。
①    シルバーウィークを中心に国内外の観光客が増加したこと。
②    地域イベント、独自イベントを積極的に行ったこと。
③    リニューアルにより新店が導入されたこと。

インバウンド消費は、百貨店やSCなど大型商業集積に影響を与える。
さらに地域性、独自性はSCでも重要な要件となっている。

地域別でみた結果を、パーセントの高い順に並べてみると、
九州・沖縄7.7%  中部4.9%  北海道4.5%  関東2.9%  近畿2.1%
四国1.6%  北陸1.3%  東北0.7%  中国0.1%
9地区すべてがプラスとなった。

また、都市規模別の政令指定都市でプラスとなったのは、
福岡市12.0% 北九州市9.0% 名古屋市5.7% 札幌市5.2% 大阪市5.1%
東京区部4.1% 神戸市3.8% 横浜市1.8% 川崎市1.1% 仙台市0.2%

一方マイナスだったのは、広島市▲0.2% 千葉市▲1.4% 京都市▲4.8%

京都は、やはり観光地そのものの魅力が強いので、SCに顧客の流れを向けるのはかなり厳しい場所だとみられる。

その他の地域(政令都市を含まない地域)でみると、
北海道が▲5.1%とマイナスだったが、他は全てプラス。
九州・沖縄5.9% 中部4.5% 関東2.7% 四国1.6% 北陸1.3%
近畿1.3% 東北0.8% 中国0.2%

これをみると九州・沖縄地区のプラスが際立っている。インバウンド客が多く訪れるこの地区は、5日間のシルバーウィークで特に観光客の増加がみられた。そして、訪れた観光客は買物、飲食のためにSCにも流れプラスに大きく影響した。

また、北海道はマイナスだったが、札幌市は9月11日から「さっぽろオータムフェスト」が開催され、期間中220万人の人が訪れ、その影響でSCにも人が流れた。これは北海道の秋の味覚を集めた食の祭典で大通公園にて開催され、今回8回目。昨年より7日間長い24日間、グルメを楽しむ客でにぎわった。年々客数も増え続け来年も開催されることは間違いない。

先月も好調であった金沢、富山のSCも北陸新幹線効果がまだまだ続いている。

9月のSCは、毎月大きく影響する天候によるものはほとんどみられず、シルバーウィークで訪れた国内外観光客が売上げを伸ばす要因となった。また、地域のイベント開催も人の流れをつくり、SCの販売にも大きく影響を及ぼした。SC自体ももちろん多くのイベントを開催し、顧客に新鮮な楽しみを与えることが必要だが、それと同時にアンテナを広げて、敏感に地域の情報収集を怠らないことが大切だということがわかる。

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