11月の総合スーパー、既存店前年比▲1.0%、気温高で季節商品が不調

百貨店、コンビニエンスストアと連日、11月の売上概況を報告しているが、今日は日本チェーンストア協会から発表された販売統計をお伝えする。この協会の売上げの半分ほどが総合スーパー業態によるものだから、それと見なして考察する。11月は既存店前年比マイナス1.0%と8カ月ぶりの減となった。

食料品は好調に推移したが、気温高などの天気の影響を受け、衣料品、住関品が季節商品を中心に不調に終わったことから、全体ではマイナスとなった。11月は百貨店も天気が大きく影響し苦戦したが、総合スーパーのマイナス要因もやはり天気だった。

加盟企業数は58社、店舗数は9326店。前月より20店舗増。
総販売額は1兆0682億2583万円。比較対照が可能な既存店ベースでは前年比マイナス1.0%となり8カ月ぶりの減。

詳細をみてみよう。
(食料品) 6770億7195万円、プラス1.6%となり唯一、好調を維持した。
農産品 プラス4.5%
好調だったのは、キャベツ、レタス、トマト、きゅうり、大根、ブロッコリー、ミニトマト、カット野菜。果物では柑橘類、イチゴ、バナナ、キウイ。
一方白菜、きのこ類が不調だった。高気温のため鍋用食材の売上げが伸び悩み。
畜産品 プラス0.4%
牛肉、豚肉、鶏肉、鶏卵ともにまずまずの動き。
ハム・ソーセージが不調。
水産品 プラス0.2%
刺身の盛り合わせ、マグロ、塩さけ、ちりめんの動きは良かった。
一方、サバなどの近海丸物、さんま、切り身、カキの動きは鈍かった。
惣菜 プラス5.5%
温惣菜で好調だったのは、揚げ物、スナック、焼き物。
また要冷惣菜でも、和惣菜、洋惣菜、寿司の動きが良かった。
その他商品 プラス0.6%
乳製品、ヨーグルト、食用油、はちみつ、酒類、アイスクリームが好調。
米、練製品などの鍋物関連は不調。

農産品と惣菜がよかった。

(衣料品) 1032億0902万円、マイナス5.3%
紳士衣料 マイナス8.1%
カッターシャツ、フリース、トレーナーは良かった。
しかしコート・セーターなどの冬物衣料の動きが鈍く、気温高の影響を受けた。
婦人衣料 マイナス7.3%
スーツ、カーディガン、トレーナーは好調。
一方ジャケット、セーター、カットソーなどの動きは鈍かった。
その他の衣料・洋品 マイナス2.7
レイングッズ、装飾品などが売上げを伸ばす。
紳士・婦人ナイトウェア、男児・女児肌着、子供服などは不調に終わった。

衣料品は3カテゴリーともにマイナスだった。

(住関連) 2218億1992万円、マイナス3.6%
日用雑貨品  マイナス3.1%
紙おむつ、ステンレスボトル、ペーパー類、タオルなどの動きは良かった。
ランドセル、食器、キャラクター玩具などの動きは鈍かった。
医薬・化粧品 マイナス8.4%
医薬品、オーラルケア、柔軟剤などが売上げを伸ばす。
カウンセリング化粧品、液体洗濯洗剤、入浴剤、カイロ、芳香剤などの動きは鈍かった。
家具・インテリア プラス0.8%
ソファやソファベッド、収納整理用品、羽毛布団、敷布団、インテリア小物などは好調。
苦戦したのはマットレス、掛け布団、毛布、カーテン、カーペットなど。
家電製品 プラス5.0%
冷蔵庫、洗濯機、掃除機、炊飯器などが好調。
エアコン、暖房機器、液晶テレビ、レコーダーなどは不調だった。
その他商品 マイナス9.5%
ペット用品、電動アシスト自転車、フィットネス、トラベルバックなどの動きは良かった。

(サービス) 32億8587万円、マイナス3.1%
(その他) 628億3907万円、マイナス9.8%

商品別の動きを見てみると、11月は気温高の影響を受けて苦戦したことが浮き彫りになってくる。食料品で不調だった、白菜、きのこ類、練製品はいずれも冬の定番メニューの鍋物商材だ。また、衣料品ではコート、セーター類が売上げを伸ばせず、住関連では、カイロ、毛布、エアコン、暖房器具等が不調だった。百貨店と同様にこの業界もまた天気に左右された1カ月だったといえる。

あ~あ、お天気産業よ。

検索ワード;日本チェーンストア協会  総合スーパー  11月売上げ  高気温

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