【3月家計調査】消費支出は実質▲5.3%、食料まで4カ月ぶりの減少

3月の家計調査(二人以上の世帯)速報が4月28日の今日、総務省統計局から発表された。

しかし好調なはずの食品も4カ月ぶりの前年同月比減少。
アベノミクス効果も薄れてきたか。

家計調査は、国民生活における家計収支の実態を把握し、国の経済政策・社会政策の立案のための基礎資料を提供することを目的として行われている。

3月の二人以上の世帯の消費支出は30万0889円。
前年同月比 実質▲5.3%、名目も▲5.3%だった。

前月比(季節調整値) は実質0.5%の増加。名目とは、そのままの値であり、実質とは、物価変動の影響を除いた値のことである。

また住居等を除いた数字をみると、1世帯当たり25万6646円。前同月比実質▲4.3%、名目も同じく▲4.3%。前月比は(季節調整値)実質は▲0.7%とマイナスがならんだ。

消費支出の内訳は以下のとおり
 食料 7万3868円 (4カ月ぶりの実質減少)
 住居 1万8295円 (4カ月ぶりの 〃 増加)
 光熱・水道 2万6313円 (6カ月連続の 〃 減少)
 家具・家事用品 1万0055円 (2カ月連続の 〃 減少)
 被服及び履物 1万1815円 (8カ月連続の 〃 減少) 
 保険医療 1万4204円 (4カ月連続の 〃 増加)
 交通・通信 4万0292円 (3カ月ぶりの 〃 減少)
 教育 1万2573円 (2カ月連続の 〃 増加)
 教養娯楽 2万9381円 (2カ月ぶりの 〃 減少)
 その他消費支出 6万4093円 (10カ月連続の 〃 減少)

「食料」の4カ月ぶり減少だけでなく、「被服及び履物」は8カ月連続で減少している。

3月の消費支出の実質増減率に寄与した主な中分類項目及び品目をみてみよう

増加項目は2項目。
授業料等――私立大学、国公立大学
設備修繕・維持――給排水関係工事費、設備機器
どちらも新年度を迎えるこの時期ならではの消費項目といえる。

一方、マイナスとなったのは以下のとおり。
自動車等関係費――自動車購入、自動車等関連用品
交際費――贈与金、つきあい費
 *交際費の実質化には消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)を用いた。
諸雑費――祭具・墓石、葬儀関係費
補修教育――高校補修教育・予備校、幼児・小学校補修教育
洋服――背広服、婦人用上着
教養娯楽サービス――外国パック旅行費、語学月謝
家賃地代――民営家賃、公営家賃
通信――-固定電話通信料
ガス代――プロパンガス、都市ガス

食料品関係の項目は、増加にも減少にも具体的には出てこない。

では、食料費の内訳はどうだったのだろうか。
消費支出額30万0889円のうち、食料の支出額は7万3868円エンゲル係数を計算すると24.55%。2月のエンゲル係数は25.58%だったので、1.03%の減少である。

食料品の内訳は以下のとおり。*( )内の数字の単位は円
穀類 6240円 (米1816、パン2692、麺類1357、その他穀物376)
魚介類 6707円 (生鮮魚介4078、塩干魚介1169、魚肉練製品637、他の魚介加工品823)
肉類 7241円 (生鮮肉5862、加工肉1380)
乳卵類 3864円 (牛乳1265、乳製品1810、卵789)
野菜・海藻 8813円 (生鮮野菜5854、乾物・海藻750、大豆加工品1137、他の野菜・海藻加工品1071)
果物2824円 (生鮮果物2605、果物加工品219)
油脂・調味料 3529円 (油脂387、調味料3142)
菓子類 5928円
調理食品 9284円 (主食的調理食品4056、他の調理食品5228)
飲料 4030円 (茶類981、 コーヒー・ココア934、他の飲料2115)
酒類 3121円
外食 1万2287円 (一般外食11870、学校給食417)

米よりパン、魚より肉。単価が違うので一概には言えないが、現代の日本人の食の傾向がみえてくる。そして2月の一般外食は、1万0027円だったので、22.5%の増加。2月は29日間とはいえ、エンゲル係数が減少している割には、外食には意外な出費がなされていることがわかる。

3月は食品まで4カ月ぶりのマイナスだった。
これは頭に刻んでおきたい。

>>>第1表 主要家計指標-二人以上の世帯

>>>第2表  1世帯当たり1か月間の収入と支出  -二人以上の世帯

*出典 家計調査結果(総務省統計局)                        
*上記の総務省の表は商人舎magazineのDATABASEにも掲載中。

検索ワード : 総務省統計局  3月  家計調査  二人以上世帯  消費支出  エンゲル係数

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