【5月SC】GWイベント効果でもマイナスを埋められず、売上高▲1.8%。

一般社団法人日本ショッピングセンター協会から5月のショッピングセンター(SC)販売統計調査が発表された。サンプル数は4月より2カ所増加して507SC。

5月の既存SCの売上高は5288億6941万円で、前年同月比▲1.8%。3カ月連続でマイナスとなった。テナントは4154億7833万円で▲1.9%、キーテナントは1133億9108万円で▲1.4%と、両者ともマイナス。

業種別にみると、その中で好調だったのは、テナントが飲食、雑貨。キーテナントは食料品。不調だったのは前月に引き続き共に婦人衣料だった。

立地別・構成別の下記表を見ると、キーテナントの大都市が唯一プラス3.6%となっているが、他はすべてマイナス。(表-1参照)

また、立地別・地域別の表-2を みると、総合で▲1.8%、中心地域は▲2.1%、周辺地域は▲1.6%。すべての地域、すべての立地でマイナス数値がずらりと並んだ。マイナス幅の大きかった地域の減収要因には下記の回答が寄せられた。
 四国(▲5.3%)――衣料品をはじめとした消費マインドの低下が顕著であったこと
 北陸(▲4.6%)――昨年開業した北陸新幹線効果の反動によるもの
 北海道(▲3.5%)――ここ数カ月前からの傾向である訪日外国人の売上高減

20160627_daily_01
表はすべて一般社団法人日本ショッピングセンター協会「SC販売統計調査報告2016年5月」より

都市規模別・地域別でみてみると、政令指定都市は「総合」で▲0.9%。
プラスだったのは北九州市3.1%、名古屋市2.5%、横浜市0.2%の3都市。

一方マイナスは、京都市▲0.2%、川崎市▲0.3%、東京区部▲0.4%、神戸市▲0.8%、
札幌市▲1.5%、大阪府▲2.6%、福岡市▲2.6%、仙台市▲5.2%、千葉市▲6.2%、
広島市▲7.7%と10都市であった。

その他の地域(政令都市を含まない地域)は「総合」で▲2.4%。

その中でプラスだったのは、東北の0.1%だけ。
他の8地域はマイナス。中国▲1.1%、九州・沖縄▲1.1%、関東▲1.9%、中部▲2.6%
近畿▲3.8%、北陸▲4.6%、四国▲5.3%、北海道▲10.3%という結果だった。

政令指定都市は▲0.9%、政令都市を含まない地域は▲2.4%と共にマイナスとなったものの、政令指定都市に軍配が上がった。

5月前半はゴールデンウイークのイベント実施による集客効果もあり、前年並みに推移。しかし、後半は来店客数が減少して、伸び悩んだ。マイナス要因としてあげられたのは、土日祝の日数が前年同月より1日少なかったこと、都市部を中心に訪日外国人観光客の売上高が減少したことなど。また熊本地震の影響はというと、再開したSCでは生活関連商品を中心に売上げが伸びたという声もきかれた。しかし、日本人、外国人ともに九州への旅行を取りやめる人が多かったことで来店客数が伸び悩み、売上げ減となったSCが多かった。地震の影響はまだまだ続いているのが現状だ。

5月の業態別実績はすべてマイナス。食品スーパーが▲0.2%、コンビニが▲0.3%、
総合スーパー が▲1.3%、SCも▲1.8%。そして百貨店が▲5.1%という結果だった。
ゴールデンウイーク、母の日などイベントも多かった5月だったが、地震の影響や訪日外国人売上高減などのマイナス要因が大きく影響し、結果、どの業態も苦しんだ月となった。

 検索キーワード:  日本ショッピングセンター協会  売上高  5月  熊本地震  訪日外国人  GW  

関連カテゴリー

統計 最新記事

一覧

最新ニュース

一覧