【9月総合スーパー・食品スーパー】秋需動かず天候不順と相場高で▲3.2%、▲1.2%

日本チェーンストア協会が「チェーンストア販売統計9月度速報」を発表した。チェーンストア協会加盟企業の売上高の多くが総合スーパー業態を運営する企業が占めている。したがって商人舎では、この統計から総合スーパーの販売動向を読み取ることにしている。

9月の調査対象企業は57社、9422店(前年同月より92店増、対前月より9店増)。売場1㎡当りの売上高は3万9830円(前年同月比マイナス3.8%)。

9月の総販売額は1兆0871億1931万円。既存店前年比マイナス3.2%。8月にマイナスに転じた後、回復傾向を示すことなくマイナス継続となってしまった。
部門別の売上高、売上構成比、対前年比(店舗調整後)の数値は下記のとおり。

1)食料品 6793億0595万円(67.3%) マイナス1.3%
  a)農産品 1022億6774万円(10.1%) マイナス3.1%
  b)畜産品 780億1395万円(7.7%) マイナス1.9%
  c)水産品 6042億9727万円(6.0%) マイナス3.8%
  d)惣菜    812億6376万円(8.1% )マイナス0.5%
  e)その他食品 3572億9023万円(35.4%) マイナス0.4%

2)衣料品 755億5539万円(7.5%) マイナス11.3%
  a)紳士衣料 128億5139万円(1.3%) マイナス9.4%
  b)婦人衣料 219億1413万円(2.2%) マイナス17.2%
  c)その他の衣料・洋品 407億8987万円(4.0%) マイナス8.4%

3)住関品 1942億1097万円(19.3%) マイナス4.1%
  a)日用雑貨品 850億0208万円(8.4%) マイナス4.1%
  b)医薬・化粧品 270億0514万円(2.7%) マイナス8.5%
  c)家具・インテリア 409億8458万円(4.1%) マイナス1.7%
  d)家電製品 91億0746万円(0.9%) マイナス9.9%
  e)その他商品 343億9646万円(3.2%) マイナス7.7%

4)サービス 25億0193万円(0.2%) マイナス18.9%

5)その他 571億4507万円(5.7%) マイナス8.4%

9月は、全部門マイナス。婦人衣料、サービス部門は8月に引き続き2桁マイナスとなった。衣料品、住関品ともに高気温、天候不順の影響を受け季節商品が苦戦した。

一方、10月21日に発表されたのが「スーパーマーケット販売統計調査 9月実績速報版」。日本スーパーマーケット協会(JSA)、オール日本スーパーマーケット協会(AJS)、新日本スーパーマーケット協会(NSAJ)の3団体の合同調査。

9月のスーパーマーケットの総売上高は8465億8343万円で、既存店前年同月比はマイナス1.2%。8月に続きマイナスになった。

部門別は以下の通り。
1)食品合計 7609億0736万円(構成比89.9%) マイナス0.8%
  ①生鮮3部門合計 2905億3150万円(34.3%) マイナス2.5%
   a)青果 1233億1937万円(14.6%)マイナス2.5%
   b)水産 735億1166万円(8.7%)マイナス2.7%
   c)畜産 937億0047万円(11.1%)マイナス2.3%
  ②惣菜 852億3218万円(10.1%)プラス0.1%
  ③日配 1658億1260万円(19.6%) プラス0.6%
  ④一般食品 2193億3108万円(25.9%)プラスマイナス0%
2)非食品 616億8684万円(7.3%)マイナス3.4%
3)その他 239億8968万円(2.8%)マイナス5.6%

惣菜・日配が微増ながらプラス。一般食品も100%をキープした。他部門はすべてマイナスとなった。

オール日本スーパーマーケット協会・松本光雄専務理事の解説。
S0378047

「先月とほぼ同じような状況。生鮮3品が軒並み前年割れ。惣菜はやや好調に戻し、日配と一般食品はかろうじて前年を確保した。全体で見ると、日配・一般食品が全体をかさ上げするところまでいっていない。低迷の最大要因はエリア別の気象状況。平均気温はどのエリアも1~2度以上、平年よりも高かった。一方、日照時間はきわめて少なかった。中旬以降は台風が関東以西には大きく影響した」

「天候不順は生鮮食品相場の不安定につながった。青果の相場高が売上げのマイナスに影響した。降雨による青果物の品不足も深刻だった。とくに北海道のじゃがいも、玉ねぎは顕著だった。季節野菜の不良が致命的に結果に出ている」

「売上げを支えてきた精肉部門も不振。牛肉の価格アップ、鍋物需要の低迷がその理由。野菜が高値のため、鍋物はお客さまに敬遠された。生鮮の売上げが悪くなると、少数規模店舗保有企業にはかなり厳しく数値に跳ね返ってくる。生鮮の安定化が求められる」

スーパーマーケット中核店舗における景況感調査と経営動向調査の報告。

景気判断DI 39.9(前月からマイナス1.6ポイント)
見通し判断 39.5(前月からマイナス0.1ポイント)
と、現状・見通し判断ともに前月を下回る結果となった。DI数値は「50」に近づくほど良い数値。

売上高DI マイナス13.1(前月比2.7ポイントプラス)
収益DI マイナス12.2(前月比マイナス1.4)
来客数DI マイナス11.2(前月比プラス3.2)
客単価DIがマイナス5.3(前月比マイナス2.3)

前月比プラス・マイナスはあるが、依然、経営の環境は厳しい。

最後に、小売り主要4業態の9月の既存店の販売動向のまとめ。

コンビニはマイナス0.01%、
スーパーマーケットがマイナス1.2%、
総合スーパーはマイナス3.2%、
百貨店にいたっては、7カ月連続減少のマイナス5.0%。

天候要因に左右されて全業態がマイナス。

10月半ばになって天候は安定してきたが、いぜん、生鮮品は高値で推移している。相場が高い場合は、これまで、顧客がしかたなく購買してくれたので、売上げは上がった。しかし今回は、節約意識、倹約意識が強まるばかりで、売上げも低迷。

8月、9月と深刻な展開が続く。

それでも、今年も残り2カ月半。お天気のせいだけで2017年を終わらせるな。そう、応援・激励しておこう。

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