4月百貨店統計|インバウンド過去最高で0.6%増と14カ月ぶりのプラス

日本百貨店協会が4月の百貨店売上高概況を発表した。調査対象店舗は80社229店。前月より2店減少。

売上高は4527億5965万円。既存店の前年同月比は0.6%と14カ月ぶりにプラスとなった。顧客別に見ると、シェア4.9%のインバウンド売上高は221億と過去最高額を更新し、22.9%と5カ月連続でプラスとなった。一方、95.1%を占める国内市場は▲0.2%と9カ月連続でマイナスだが、前月3月は▲1.6%、2月は▲2.2%だったので、少しずつ回復している。

14カ月ぶりのプラス要因は、円安株高によるストック効果で高額消費に弾みがついたこと。また集客・販促施策の積極的な展開による成果のあらわれと協会では判断している。

主要10都市は対前年同月比0.6%、2カ月連続で増収。
プラスとなったのは6都市で、札幌5.4%、福岡4.5%、大阪3.9%、仙台1.3%、横浜1.3%、神戸0.3%。一方マイナスは名古屋▲2.5%、広島▲1.7%、東京▲0.8%、京都▲0.7%の4都市。

10都市以外の地域は0.9%と、18カ月ぶりにプラスとなった。
九州12.5%、中部0.6%、中国0.6%、四国0.5%、関東0.1%の5地域がプラス。一方マイナスは北海道▲6.5%、近畿▲5.6%、東北▲2.9%の3地域だった。

主要5品目の4月の動向を見ると、以下の3項目が前年同月を上回った。
[身のまわり品] 609億6654万円、0.7%。9カ月ぶりにプラス。
[雑貨] 834億2860万円、7.2%増と、5カ月連続。とくに化粧品は15.2%と大幅な伸びで、25カ月連続で好調を維持。また、しばらく不調だった高額商品の美術・宝飾・貴金属も1.0%と14カ月ぶりにプラスに転じた。
[食料品] 1096億0485万円で0.4%、14カ月ぶりのプラス。菓子と惣菜が売上げを伸ばしたが、これは花見需要によるところが大きい。しかし生鮮食品は37カ月連続でマイナスが続く。

一方、マイナスだったのは2項目。
[衣料品] 1510億4236万円、▲1.2%で18カ月連続マイナス。しかし前月からは3.4ポイント改善しており、春物衣料に動きがみられた。
[家庭用品] 202億4779万円の▲6.0%、16カ月連続減。家電は▲6.7%で5カ月連続マイナス、家具は▲1.7%で14カ月連続で、ともに不調が続いている。

また3回目を迎えたプレミアムフライデー効果は徐々に出てきたようで、食品や旅行用品に動きがみられた。

大手百貨店グループの4月の業績は下記のとおり(%はすべて対前年同月比)。

㈱三越伊勢丹ホールディングス
国内百貨店事業(三越伊勢丹計+国内グループ百貨店計)▲1.1%。
三越伊勢丹合計は▲3.0%。
食品や婦人雑貨は好調だが、衣料品の苦戦が続く。しかし気温の上昇とともに、帽子やスカーフなどの夏物商材が動き出した。インバウンド需要は好調で化粧品が売上げを伸ばしている。

J.フロント リテイリング㈱  ▲0.3%
訪日外国人の購買により、化粧品やラグジュアリーブランドは好調。また気温の上昇とともに、婦人のシャツ、ブラウスも売上げを伸ばした。しかし、高額商品の美術・宝飾品や家電が苦戦し、全体ではマイナスとなった。

㈱髙島屋および国内百貨店子会社17店舗 1.7%
株高の影響により、ラグジュアリーブランドを中心とした高額品が好調で、2カ月連続で前年を上回った。なお、免税売上げが37.3%と驚異的な伸びとなった。

エイチ・ツー・オー リテイリング㈱  百貨店は2.9%
阪急阪神百貨店の数字をみると、衣料品が▲0.4%だったものの、ほかはプラスが並ぶ。雑貨12.3%、家庭用品5.8%、身のまわり品3.2%、食料品0.9%と好調に推移した。

4月は、エイチ・ツー・オー リテイリングと髙島屋がプラスとなり、J.フロント リテイリングと三越伊勢丹ホールディングスがマイナスとなった。

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