10月スーパーマーケット統計|天候と衆議院選影響し全店・既存店とも売上減

「10月スーパーマーケット販売統計調査」が発表された。これは、日本スーパーマーケット協会(JSA)、オール日本スーパーマーケット協会(AJS)、新日本スーパーマーケット協会(NSAJ)の3団体の合同調査によるもの。調査対象企業は全国の270社。

10月の総売上高は8794億0350万円。既存店は前年同月比1.9%の減少となった。

部門別の売上高、売上構成比、対前年比(店舗調整後)の数値は以下の通り。

食品合計は7900億3128万円(89.8%)▲1.7%
生鮮3部門合計 2988億4002万円(34.0%)▲3.7%
・青果 1187億2516万円(13.5%)▲10.2%
・水産   734億4292万円(8.4%)▲4.1%
・畜産   1066億7193万円(12.1%)+4.9%
惣菜 879億3913万円(10.0%)▲3.0%
日配 1731億6839万円(19.7%)▲0.2%
一般食品 2300億8374万円(26.2%)+0.2%

非食品 659億4033万円(7.5%)▲2.1%
その他 234億3236万円(2.7%)▲4.0%

NSAJ の増井徳太郎副会長が10月の部門別・商品別概況を解説したので、詳細に報告する。

「10月は全店ベースでは昨対比0.7%減、既存店は1.9%減と、前年同月を下回った。全店が前年を下回ったのは、前年がうるう年だった2017年の2月、さらに2015年3月。これは消費税が引き上げられる前の駆け込み需要の反動からだ」

「10月は行楽、運動会など天候に左右される行事が多い月。にもかかわらず、降水量が多かったこと、週末に台風が上陸したことが客数減を招いた。また土曜日が1日少なかったことも重なり惣菜などが不振だった。ただ気温の低下は、鍋物商材には好影響となった」

「今年のハロウインは火曜日。そのため前週末が需要のピークになるはずが、あいにく天気が悪かった。菓子コーナーの大入り袋は好調だったが、惣菜は週末にロスが出た」

「不調要因のもう一つは、衆議院選挙。選挙の月は買い控えの傾向が強いと言われる。その影響もあったのではないか」

「青果は、既存店売上高▲10.2%と二桁減。これは2011年4月の調査開始以来、最低の数字。前年の相場高騰の反動で、サラダ関連商品を中心に大幅な相場安となり単価が下落した。また台風や長雨の影響でみかんやりんごなどが不調だった。一方で気温低下から鍋物需要は高く、長ねぎ、きのこが売上げを伸ばした」

「水産は、不漁のサンマや秋鮭が価格高騰したため不調。一方で入荷が安定しているブリやイワシ、また鍋物食材の冷凍の蟹やタラは好調だった。刺身類はいまだアニサキス報道の影響が続いている」

「畜産は、全般的に相場高で推移するなか、水産物からの需要シフトが追い風となった。鍋物、しゃぶしゃぶ用肉などの動きが良かった。鶏肉・豚肉は好調、しかし牛肉は企業によって好不調が分かれた。牛肉に関しては国産牛や高単価商品が売上げを伸ばした」

「惣菜は、揚物やホットメニューが好調。しかし、週末の天候不良により、運動会の中止や延期、秋の行楽需要にも影響がでて、不振となった。またO157報道によるポテトサラダ、アニサキス報道による寿司関連は、不調のままだ。一方で米飯類は秋の味覚メニューがよかった。ハロウイン関連商品は、天候によるロスが発生した」

「日配は、低温により、おでんや鍋用の練製品の動きがあった。一方で、アイス類や乳製品、デザート類などの洋日配は不調。漬物や冷凍野菜は前年が青果相場高騰要因で好調だった反動により、今年は前年を下回った。また、他業態との競争が厳しいとのコメントが寄せられている」

「一般食品は、スープ類やカレー、鍋つゆ、麺類などの秋冬物商材が上向いた。飲料やビールなどのアルコール類は伸び悩んだ。新米の価格は上昇気味だが、ブランド米が好調に推移している。ハロウイン関連では、大袋菓子が売上げを伸ばした」

「非食品は、カイロや入浴剤が良く売れた。紙製品やタバコは低迷。またホームセンターやドラッグストアなど他業態との価格競争の影響で、売上げが落ち込んだ店舗もあった」

検索キーワード:スーパーマーケット 販売統計調査 10月 気温低下 ハロウイン

 

関連カテゴリー

統計 最新記事

一覧

最新ニュース

一覧