3月6業態統計まとめ|花見客需要が後押しして6業態中4業態プラス
主要業態別の3月売上高が出揃った。小売主要4業態に、ショッピングセンターと外食産業を加えた6業態の業績を報告する。3月は総合スーパーとスーパーマーケットが前年割れだったが、ほかの4業態はプラス。とくに外食産業は好調だった。また気温上昇による桜の開花の早まりは、どの業態にも好影響となった。
外食産業 +4.6%
ショッピングセンター +2.2%
コンビニエンスストア +1.3%
百貨店 +0.9%
総合スーパー ▲0.1%
スーパーマーケット ▲0.3%
外食産業売上高は4.6%プラスで、19カ月連続前年を上回った。前年に比べて土曜日が1日多かったこと、気温上昇で桜の開花が早まり、花見客を中心に客数が伸びたことが好調要因。ちなみに全体の客数は3.0%増。
ショッピングセンターの既存店売上高は、2.2%プラス。主な好調要因は3つ。第1に土日祝日合計が前年に比べて1日多かったこと。第2に気温が高かったために春物商材に動きが見られたこと。第3は、その気温の影響で早まった桜の開花により、花見目的の行楽客が来館者となって、飲食店が好調に推移したことだ。
コンビニエンスストアの既存店売上高は、1.3%増と3カ月続けて前年を上回った。3月は降水量は多かったものの、月の後半は全国的に気温が高く、花見需要も高まった。カウンタ―商材・調理麺・惣菜・飲料・アイスクリームなどが好調。しかし、客数は0.6%減と、25カ月マイナスが続いている。
百貨店の既存店売上高は0.9%増で、4カ月ぶりに前年を上回った。春物商材、高額商品、インバウンド需要が好調に推移した。外国人売上高は、花見客需要とリピーター増加で約290億円と過去最高額。48.1%増と大幅な伸び率だった。しかし国内市場は1.8%減で前年に届かなかった。
総合スーパーは既存店では前年を0.1%下回った。食料品は農産品、畜産品が好調。花見需要もあり、惣菜も堅調に推移した。しかし水産品は不調。衣料品は紳士・婦人・その他すべてが前年割れだった。住関品は1.8%減少。唯一、医薬・化粧品はプラスだったが、家電製品の▲9.6%が響いた。
スーパーマーケットは既存店0.3%減で、昨年11月以来の前年割れとなった。キーワードは3つ。1つは天候要因。上旬は悪天候だったが、中旬以降は気温も高く好天に恵まれた。2つ目は競合店との価格競争が激しく客数が減少している。3つ目は1つ目の天候とも関係するが、花見などの行楽需要が高まりを見せた。好調要因もあるが、総合的には前年割れとなった。
同じ食の業態でありながら、内食・中食を担うスーパーマーケットが前年割れで、外食を担当するフードサービスが最も良い成績。単純に推理すると、スーパーマーケットがフードサービスに顧客をとられたということになってしまうが、それもこの現象の一つの理由かもしれない。