イオンが11月15日から取り扱い開始する「プライドフィッシュ」とは?

イオンは、毎月15日の地域の産品を販売する地産地消「じものの日」に、本州・四国のイオン全店で「プライドフィッシュ」を販売することを決め、今月11月15日からスタートする。

 

「プライドフィッシュ」とはあまり聞きなれない言葉だが、JF漁連(全国漁業協同組合連合会)をはじめとする各地JFグループが選定した、地域ごと、春夏秋冬ごとに、魚を知り尽くした漁師が今一番食べてほしい自慢のおすすめの魚。「Pride」は「誇り、自尊心、自負心」のこと。

「プライドフィッシュ」は若年層の魚離れから、一人当りの魚介類消費量が平成13年をピークに年々減少傾向にあることを背景に、JF全漁連が中心となり、「プライドフィッシュプロジェクト」をスタートさせた。

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出典:農林水産省「食料需給表」 ※平成23年までは確定値、平成24年は概算値

 

水産庁は2012年から簡単に調理できる水産加工品「ファストフィッシュ」を認定。家庭で手軽に魚料理を取り入れられる取り組みを進めてきた。一方で、簡便な魚だけでなく、魚の真の旨さを知っている漁師たちは、魚の本当のおいしさと食べた感動を実感してほしいという思いがあり、そうした「ファストフィッシュ」と表裏一体のプロジェクトとして「プライドフィッシュプロジェクト」が2014年に誕生している。

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*掲載の図・画像はすべて「プライドフィッシュ」公式サイトより

プライドフィッシュの公式サイトはこちら

 

プロジェクト企画委員会は、5名の有識者からなり、委員長は、学校法人服部学園・服部栄養専門学校理事長・校長の服部幸應(はっとり ゆきお)さん。

 

「プライドフィッシュプロジェクト」は、これまでの魚食普及・消費拡大の取り組みとは異なる。
一つは、全国で1つのテーマ「魚の本当のおいしさの再認識」を掲げ、全国のJFグループが一体となって取り組んでいること。
二つ目は情報を発信するだけではなく、実際に食べてもらい、魚のおいしさを味わって、その感動を共有すること。このために、都道府県ごとに、プライドフィッシュを買える店、食べられる飲食店の情報を公式サイトで提供している。
三つめは、消費の拡大は水産に関係する業界の共通する喫緊の課題のため、関係する業界と広く連携して取り組む必要があることから、サポート協議会を設けていること。
この協議会メンバーは生産から流通・消費に至る幅広い組織により構成されていて、卸売業、加工業、小売業、外食、消費者、生協、調理学校・給食、観光、水産などの団体が名を連ねる。例えば、小売業関係ではイオン、ダイエー、日本スーパーマーケット協会など。

プライドフィッシュの選定基準は以下の4つ。
  ①  本当においしい漁師自慢の魚であること
  ② 地元で水揚げされたものであること
  ③  旬を明確にした魚であること
  ④ 各会員が独自に設けている基準(サイズ、水揚げ海域等)をクリアしている魚であること
現在、全国で130種の魚が認定されている。

 

これまではどちらかといえば「プライドフィッシュ」を扱う店は、飲食店や観光地の鮮魚店など中小店が多かったが、今回のイオンの取り組みで「プライドフィッシュ」の名は大きく広報される。意義は大きい。

ただし、プロジェクトを推進していくには、大手小売業の取り組みが不可欠だが、当然、水産品には限りがある。「全店で常時」販売する、といった発想では進められない。つまり、古典的チェーンストア理論から脱却し、アメリカで言う「シーゾナル商品」、「売り切れごめん」「期間限定」「店舗限定」といった考え方が要求される。もちろん、全国、全店で展開できる場合には、そうすればいいが。

 

プライドフィッシュを普及させ、販売するには、日本の魚に対する「誇り」のマインドが不可欠だ。

 

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