ウォルマートnews|小型サムズクラブ(900坪)今秋ダラスで新実験開始
ウォルマート・インクのサムズクラブ部門は今秋、テキサス州ダラス郊外のグリーンビルで新コンセプトの新フォーマットを実験する。
メンバーシップホールセールクラブ業態としてトップ企業のコストコと鎬を削るサムズクラブ。そのレギュラータイプは、10万から15万平方フィート(2800坪~4200坪)だが、この新フォーマットは3万2000平方フィート(約900坪)である。なぜならこの物件はウォルマートのスーパーマーケット業態のネイバーフッドマーケットが2012年10月に開店し、2016年1月に閉店したものだからだ。
通常のサムズクラブは6000SKUだが、この小型店は約1000〜2000SKUである。 コンビニエンス・アイテムと生鮮食品や乳製品、冷凍食品など、そして「グラブ&ゴー」(テイクアウト)のメニューに力を入れる。もちろんサムズクラブであるから、単品量販の大容量を基本とするのだろうが、「メンバーズマークブランド」を追加している。その新しいアイテムの一つがスモークゴーダピミエントスプレッドと調理されたビーフブリスケットだ。
新しいフォーマットもサムズクラブ同様に会員限定である。そしてサムズが2016年からダラス地区の店舗に追加したスマートフォンを搭載した「スキャン&ゴー」のセルフチェックアウトシステムが導入される。さらにサムズクラブで最初の試みとなるが、陳列棚にはデジタルプライスタグがつけられる。顧客は買物しながらセルフスキャンし、セルフチェックアウトする。
アプリ、センサー、カメラで顧客の行動を察知し、チェックスタンドを必要としないamazon goほどではないけれど、オンラインのeコマースとリアル店舗の購買体験とが融合するという未来の買物の新しいウェーブを実現させる店だ。このフォーマットは30〜40人のわずかなスタッフによって運営され、ローコストオペレーションを志向する。ウォルマートは「利益のある良い仕事」と表現している。
さらにこのフォーマットはオンライン注文を受けて、商品ピックアップし、同日配送するというオプションも提供する。
会員登録や商品の返品も早くなる。スタッフはモバイルデバイスを持って仕事に当たる。顧客との摩擦点を減らし、簡便に買物してもらうためだ。
立地はダラスのダウンタウンに近いわけではないが、極めて都会的なところで、ウォルマートはこの店を「a cool store for a cool neighborhood」と表現する。つまり「クールな近隣のためのクールな店舗」。オープンは、午前9時30分から午後7時まで。
テキサス州のウォルマート広報担当アン・ハットフィールド氏は、「我々にとってダラスは、イノベーションをテストして、新しいサービスを展開する重要な市場です」と語る。