クローガーnews|’19年通期/売上高1223億ドル・0.4%増も純利益46.7%減
米国最大のスーパーマーケット企業クローガー(ロドニー・マクマレンCEO)は、2020年2月1日に終了した2019年度の通期決算と第4四半期の業績を発表した。
まず第4四半期。売上高は288億9300万ドル(1ドル100円換算で2兆8893億円)で、前年同期比2.1%増。営業利益37.3%増の5億3700万ドル(537億円)、純利益26.3%増の3億2700万ドル(327億円)で、増収増益だった。既存店売上高は、ガソリン販売と撤退部門を除いて2.0%増。オンライン売上高は22%増加した。
次に通期決算。売上高は1222億8600万ドル(12兆2286億円)で前年比プラス0.4%だったものの、営業利益が13.9%減の22億5100万ドル(2251億円)、純利益が46.7%減の16億5900万ドル(1659億円)と微増収減益となった。既存店売上高は、ガソリン販売と撤退部門を除いて2.0%増。オンライン売上高は29%増と好調だ。ネットで注文した商品の店頭受け取りに対応する店舗は1989店、店舗からの宅配に対応する店舗は2385店に増えた。
同社のロドニー・マクマレンCEOは、「2019年の結果とスーパーマーケット事業の業績改善に満足しています。既存店売上高の伸長に加え、経費節減などで営業利益目標は達成しました。宣伝など営業外の収入で1億ドル以上を上げ、キャッシュ・フローも増加し、想定通りの結果です」と述べている。
〈ロドニー・マクマレンCEO〉
2019年に39の新ブランドを加えたクローガーのプライベート・ブランド(PB)商品は、231億ドルを売り上げて、過去最高を記録した。そのうち、「シンプル・トゥルース」は2013年1月の発売以来、自然食品・オーガニック食品のPBとして好評を博しており、現在はアイテム数1550、年商23億ドル(2300億円)を超えるブランドに成長している。
同社は従業員の待遇改善を進めており、従業員の平均時給は19年に15ドル、医療保険などの福利厚生を含めると20ドルを超える。また、教育支援プログラム「Feed Your Future」に多額の投資をしており、こうした人件費・教育費の増加も利益を押し下げる要因となった。
前年度はコンビニエンスストア事業を英EGグループ(ガソリン小売業)に21億5000万ドル(2150億円)で売却しており、約17億ドル(1700億円)の譲渡益を計上していた。今年度はその反動で大幅な純利益減少となった。
2020年度は、既存店売上高が最大で2.25%増、純利益30億〜31億ドル、設備投資32億〜34億ドルを見込んでいる。