ウォルマートnews|スーパーマーケット「アズダ」を売却し英国から撤退
ウォルマート(アーカンソー州ベントンビル、ダグ・マクミロンCEO)は10月2日、英国で展開する傘下のスーパーマーケット「アズダ」の株式の大半を「ザ・イッサ・ブラザーズ」と「TDRキャピタル」に売却し、事実上英国から撤退すると発表した。
過半数の株式を「ザ・イッサ・ブラザーズ」と「TDRキャピタル」が取得する。売却する株式数や金額など詳細は明らかになっていない。
ザ・イッサ・ブラザーズは2018年に米国スーパーマーケット第1位のクローガーからその米国でのコンビニ事業を買収している。現在、英国と欧州大陸、米国などで約6000店舗を展開している。もう一方のTDRキャピタルは、英国の大手投資銀行で、ザ・イッサ・ブラザーズが運営する「EGグループ」の株式の50%を保有している。
アズダの株式売却は2022年度上半期に完了する予定だ。ウォルマートはこの売却に当たって、現金の支出を伴わない25億ドル(1ドル100円換算で2500億円)の損失を計上する。そして、一部の株式は引き続き保有し、一部商品の供給を続ける。新たに10億ポンド(1ポンド130円換算で1300億円)が投資され、アズダはさらなる成長を目指す。
ウォルマートは1999年にアズダを67億ポンドで買収した。アズダはテスコ、セインズベリーに次いで英国第3位のスーパーマーケットだった。しかし近年はドイツ系のハードディスカウンター「アルディ」や 「リドル」の台頭もあって業績が伸び悩んでいた。2018年5月にはアズダとセインズベリーを経営統合すると発表したが、英国の監督官庁(CMA)の承認が得られず、断念した。