ウォルマートnews|バーチャル試着アプリをもつ「ジーキット」買収

ウォルマート(アーカンソー州ベントンビル、ダグ・マクミロンCEO)は5月13日、オンラインでバーチャル試着アプリをもつ「ジーキット(Zeekit)」社の買収に合意したと発表した。買収の財務条件については明らかにされていない。

ジーキットの画像認識処理アプリを使えば、顧客は店舗の試着室に入ることなく衣類を試着することができる。

まず、顧客は撮影した自分の画像をアップロードする。そしてその画像にファッションアイテムを自由に着せ替えて仮想試着する。あるいは、既存のモデルを体型やサイズで選んでバーチャル試着することもできる。

バーチャル試着上の画像をSNSで友人などとシェアして、第三者の意見を参考にすることもできる。

COVID-19パンデミックのなか、巣ごもり消費でインターネット通販が加速しているが、衣料品も例外ではなく、eコマースの売上高は急伸している。ウェルズ・ファーゴ銀行が3月に発表した調査結果によると、アマゾンは昨2020年、衣料品の売上高でウォルマートを抜いて全米1位になった。今回のウォルマートのジーキット社買収は当然アマゾンを意識したものだと言える。

ジーキット社は、イスラエルのテルアビブ市に拠点を置くスタートアップ企業だ。2016年に設立されている。「ジーキット」はヘブライ語で「カメレオン」を意味する。同社は軍のテクノロジーを応用してこのプラットフォームを開発した。

買収後には「ウォルマート・アプリ」にバーチャル試着の技術が統合され、将来的にはAIを生かしたレコメンデーションなど、サービスの向上に役立てていく。また、契約の一環として、CEOのヤエル・ヴィゼル、最高技術責任者のアロン・クリスタル、研究開発担当副社長のニル・アップルボイムがウォルマートに加わる予定だ。

ウォルマートのアパレルラインには、「タイム」「トゥルー」「ジョージ」など、主にベーシックで低価格のブランドと、「ソフィアジーンズ」「スクープ」「フリーアセンブリー」「エロキーエレメンツ」など、より高級な4つのブランドがある。

3月にはミッシェル・オバマやレディ・ガガのスタイリスト兼ファッション・デザイナーとして人気のブランドン・マクスウェル(Brandon Maxwell)を「フリーアセンブリー」「スクープ」のクリエイティブ・デザイナーとして起用している。

ウォルマートは、eコマースの収益性の改善を優先課題としており、衣料品を含むジェネラル・マーチャンダイジング・カテゴリーの販売拡大は急務である。今回の買収は、ウォルマートのオンライン・アパレル販売拡大の重要なステップとなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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