シアーズ 衣料品通販のランズエンドを4月に分社化

シアーズ・ホールディングスは14日、衣料品通信販売子会社のランズエンドを4月4日に分社化すると発表した。これに伴い、シアーズの株主はランズエンドの普通株0.3株分を受け取る。ランズエンドは4月7日に単体でナスダック市場に上場する予定だ。

 

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ランズエンドは分社化前にシアーズに対して5億ドル(約500億円、1ドル=100円換算)を現金配当する。新規借入れで調達する。その他に運転資金として1億7500万ドル(約175億円)を上限として借入れを行う予定だ。ランズエンドは253店あるアメリカ国内の店舗の大半をシアーズの店舗内に構えているが、分社化後もシアーズとのリース契約を継続する。当初の年間リース料は2700万ドル(約27億円)だが、2019年には対象店舗が102店舗まで減り、リース料も1090万ドル(約11億円)まで低下する見込みだ。

 

ランズエンドは1963年にヨット関連用具のカタログ販売会社として創業。その後、高級カジュアルファッションの通販業者として成長した。2002年、上層顧客の獲得を狙ったシアーズに19億ドル(約1900億円)で買収された。本国アメリカのほか、日本、イギリス、フランス、ドイツ、オーストリア、スウェーデンの計7カ国で事業を展開し、昨年に創業50周年を迎えた。2013年の売上高は15億6000万ドル(約1560億円)、純利益は7890万ドル(約78億9000万円)。売上げの8割以上はEコマースとカタログ販売によるものだ。

 

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一方、シアーズ。先月27日に発表した2013年度の売上高は361億8800万ドル(3兆6188億円)で前年同期比▲9.2%。営業損失▲9億2700万ドル(約927億円)、経常損失▲9億7200万ドル(約972億円)、当期純損失▲11億1600万ドル(約1116億円)と不振を極めている。シアーズは、ヘッジファンド・マネージャーでもあるエドワード・ランパートCEOによって2005年にKマートと統合されてから経営状態がすぐれず、2011年10月にシアーズ・ホームタウンやアウトレットなどを計4億4650万ドル(約447億円)で売却したほか、同年12月にはオーチャード・サプライ・ハードウェアも分社化している。

 

今回のランズエンドの分社化も、こうした事業整理の一環と見ることができる。エドワード・ランパートは強気の姿勢を崩すことはないが、かつてのアメリカNo.1小売業の店頭は崩れっ放し。店頭の立て直し以外に小売業の再生はないのだが。

 

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