ウォルマートnews|サムズクラブ、AIゲートでレシートチェック

ウォルマート(アーカンソー州ベントンビル、ダグ・マクミロンCEO)のメンバーシップホールセールクラブ「サムズクラブ」は2月28日、会員顧客のショッピング体験を変革するため、「チェックアウト」「モバイルオーダー」「在庫チェック」の3つの項目でDXをアップデートすると発表した。

会員制のホールセールクラブでは通常、会計後に出入口で従業員にレシートを見せ、カートの中身と照合する「レシートチェック」を行う。これはコストコもサムズクラブも同様だ。サムズクラブはこのレシートチェックの手間を省くため、2016年からチェックアウトに導入している「Scan & Go」と出口付近に設置するAI搭載のゲートを連動させた。「Scan & Go」利用客はチェックアウトの行列にもレシートチェックの行列にも並ぶことなく、スムーズに店から出られるようになった。

現在10店舗のサムズクラブで試験導入されていて、2024年末までに全店舗に展開される予定だ。

<サムズクラブのAIゲート>

ケーキのオーダーはこれまで売場で直接注文する必要があり、会員からは「面倒だ」という意見が上がっていた。そこでサムズクラブは、モバイルオーダーでカスタマイズしたケーキを購入できるようにアプリのアップデートを行った。アプリ上でケーキを選択、名前を入れるなどのカスタマイズをし、受け取り日時を決めてカートに追加すれば、他の食料品や消耗品と一緒に購入・受け取りが可能となった。現在、30店舗でケーキのモバイルオーダーが導入されていて、2024年末までに全店舗に展開される予定となっている。

さらにアソシエーツ(従業員)向けのサポートとして、2022年に導入した在庫確認AI「Inventory Intelligence」が導入されている。これは掃除・床磨きロボットの上に取り付けられた在庫チェック用のスキャンタワーが毎日2200万枚撮影し、在庫データを収集する仕組みで、これによって従業員の作業効率が向上している。従業員が持つ端末には正確な在庫状況や場所、価格設定が表示されることで、会員サービスの向上にもつながっている。「Fresh」アプリでは日々変化する生鮮品の入荷状況などを随時調べられるように設計されている。またデジタルアシスタント「Ask Sam(サムに聞こう)」は顧客からの質問をサポートするアプリで、2023年には毎週平均70万件を超える質問に回答を導き出した。

サムズクラブでは2024年夏に3万7000平方フィート(約1040坪)のデザイン・スタジオ「Clubhouse」をウォルマート本社のあるアーカンソー州ベントンビルにオープンする予定だ。同施設は「イノベーション・エンジン」として位置付けられ、新製品の開発やテスト、顧客・従業員のための新たな体験を創出するための場所として機能することとなる。

 

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