テスコ 5月にアパレルブランドF&Fでアメリカ再進出

2007年、小型スーパーマーケット「フレッシュ&イージー」の進出でアメリカに小型店旋風を起こし、そのフレッシュ&イージーを昨年アメリカから撤退させたテスコが、今度はアパレル事業で再進出する。

テスコはサウジアラビアの複合企業体ファワツ・アルホカイア・グループが所有するリテイル・グループ・オブ・アメリカと組んで、テスコのアパレルブランドである「F&F」をアメリカで展開する。本国イギリスで食品を中心とする主力事業が一定程度の飽和を迎えた中、ビジネスを多様化して収益源を分散する狙いがある。

 

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F&Fのアメリカ第1号店を来月初めにボストンに開店する。テスコとアルホカイア・グループは今年、アメリカ東海岸に7店舗を出店する予定で、ニューヨークやフィラデルフィア、ニューポート、バージニアではショッピングモール内への出店が計画されている。

 

テスコは、ウォルマート・ストーアズ傘下のアズダが展開するアパレルブランド「ジョージ」への対策として、F&Fを2001年にイギリスとアイルランドに導入した。現在、世界21カ国(イギリス、アイルランド、チェコ共和国、ポーランド、ハンガリー、トルコ、スロヴァキア、マレーシア、タイ、中国、韓国、サウジアラビア、グルジア、カザフスタン、スイス、ジブラルタル、UAE、バーレーン、ヨルダン、フィリピン、アルメニア)で展開されていて、その内10カ国はフランチャイズ(計43店舗)によるものだ。

 

アルホカイア・グループはテスコと提携して、サウジアラビアのほかアルメニア、グルジア、カザフスタンなどの中央アジアですでにF&Fのフランチャイズ店舗を展開している。他にも、「バーバリー」との合弁事業に参加するなど実績が豊富だ。

 

テスコは昨年、10億ポンド(約1700億円、1ポンド=170円換算)以上の損失を計上してアメリカのフレッシュ&イージー事業から撤退。その後、フレッシュ&イージーは投資ファンドのユカイパに売却された。

 

アパレル事業も世界には「ZARA」や「H&M」など強力なブランドが多数存在する。ユニクロもアメリカ進出している。結果としてみると、やはりアメリカの食品分野の競争は激しく、アパレル分野はギャップもリミテッドも衰退気味で、食品に比べると競争が甘いことになる。テスコが本来強みとする領域以外での投資はリスクが大きいが、アメリカではフランチャイズ方式を用いることでフレッシュ&イージーと同じ轍を踏まない作戦だろう。しかし、その分、腰が引けているとも見ることができる。

 

検索キーワード: テスコ F&F ファワツ・アルホカイア・グループ

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