ホールフーズ ワシントン州の店舗で廃棄食品から有機肥料を生産して販売

ホールフーズ マーケットが、店舗で生まれる食品廃棄物を利用して有機肥料を生産する取り組みを開始する。5月初めにワシントン州ベルビューの店舗にWISErg社の肥料製造機「WISErg Harvester」を導入する。この機械で製造された有機液体肥料を農業生産者や一般消費者に販売することで、過剰生産・過剰在庫・大量廃棄というこれまでの食品廃棄のネガティブなプロセスを「好循環」に変える狙いだ。

 

Whole Foods Market Logo

 

ホールフーズが導入する肥料製造機は、肉や骨、魚介類、惣菜、花、液体、挽いたコーヒー豆などから有機液体肥料をつくることができる。この機械にはカメラとセンサーが付いていて、収集されたデータをもとに生鮮食品の在庫を最適化することが可能だ。何しろWISErg社の創立者2人はマイクロソフト出身だから、機械も情報武装しているのだ。

 

つまり、肥料製造機を導入するメリットは①廃棄食品の有効利用と②データによる生鮮食品の在庫管理ということになる。また、この手法が優れているのは、店舗で製造された肥料が販売できる商品でもある点だ。特に店舗近くの農業生産者に有機肥料を販売し、その肥料を使って生産された農産物をホールフーズが仕入れるという「好循環」を生む契機になる。

 

wfm_fertilizer_20140424

 

ナショナルチェーンが「WISErg Harvester」を採用するのは初めてのことであり、水平展開の可能性は未知数だが、地元の農業生産者を育てて、ともに成長してきたナチュラル&オーガニック食品の雄ホールフーズが採る手法としては、優れていると評価することができる。

それにしてもホールフーズのこの視野の広さ、視点の高さ。
イノベーションに対するチャレンジ。
そのためにコストはいとわない。

オーガニック&ナチュラルの切り口から、循環型農業生産へと領域を広げ、さらに店舗廃棄物から有機肥料を生産して、それを農家に販売し、さらに有機農産品生産に結びつける。

 

ウォルマートにもクローガーにもできない、ホールフーズだけのポジショニング戦略がここにある。

 

 

検索キーワード: ホールフーズ マーケット 廃棄食品 有機肥料

 

 

関連カテゴリー

海外 最新記事

一覧

最新ニュース

一覧