ウォルマート 中興の祖で第3代社長兼CEOのリー・スコット氏が引退へ

ウォルマート・ストアーズは23日、取締役会メンバーで元社長兼CEOのリー・スコット氏が今期限りで退任すると発表した。6月6日開催予定の年次株主総会で再立候補せず引退する。

 

スコット氏は1949年3月生まれ。1979年にウォルマートに入社し輸送チームに配属。その後、頭角を現し、93年にロジスティクス担当上級副社長に就任。95年にマーチャンダイジング担当上級副社長に選任されると、店舗在庫の適正化に手腕を発揮し、在庫増加を最小限に抑えつつ過去最高の売上げを達成した。

 

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【リー・スコット氏】

 

98年、ウォルマート・ストアーズ部門の社長兼CEOに就くと、1年後の99年に本社副会長兼COO、さらに1年後の2000年に遂に第3代目の社長兼CEOに登りつめた。スコット氏は以後、09年までの9年間、ウォルマートのトップとして活躍した。

 

創業者サム・ウォルトン氏の長男で現取締役会議長のロブソン・ウォルトン氏は、スコット氏のこれまでの業績について次のようにコメントしている。

「父はリーの指導力をたいへん誇りにしていました。ふたりは一緒に仕事をしたこともあります。だから父はロジスティクス・オペレーションでリーが果たした貴重な役割を十分理解していました。もちろん父は、我々ウォルマートのプロのドライバーたちの重要性も十二分に承知していました」

 

スコット氏の功績はオペレーション面にとどまらない。ダイバーシティ・イニシアチブに見られる人財開発や、05年に立ち上げた持続可能な環境イニシアチブなど企業経営全般に及んでいる。

 

スコット氏は輝かしい実績とともに、創業者サム・ウォルトン氏、第2代目デイビッド・グラス氏と並んでウォルマートの伝説的経営史にその名を記すことになる。

 

イギリスのテスコ社では第4代CEOのテリー・リーヒー氏が中興の祖といわれるが、ウォルマートのスコット氏は第3代目。スコット氏は現在、65歳だが、その引退は一つの時代の終りを告げることになった。ちなみにリーヒー氏は1956年生まれで、2011年CEO退任だから、55歳だった。

 

なお、次期取締役会の候補者リストには、今年2月に社長兼CEOに就任したばかりのダグ・マクミロン氏(47歳)と前社長兼CEOのマイク・デューク氏(64歳)を含む14人が載せられる予定だ。

それにしてもウォルマートもテスコも、そのトップ・マネジメントたち、退任も就任も、若い! 若い!!

 

 

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