ダラーストア2位のファミリーダラー第2四半期と上半期減収減益でリストラ

アメリカのダラーストア御三家の第2位がファミリーダラー。
その二番手が落ち込んで、この業界は三占から複占に向かう様相。

ファミリーダラーの第2四半期の売上高は27億1662万ドルで、前年同期比6.1%マイナス。
最終営業利益は9087万ドルで35%マイナス。

上半期の売上高は52億1631万ドル、営業利益1億6890万ドル。
これも減収減益。

そこで8月の年度末決算までに、不採算店370店舗をスクラップする。本社人員も1割レイオフ。
営業面では1000SKUを値下げして売り上げを稼ぐとともに、在庫売り切りを図る。

来年度の新規出店数は、これも525店の計画を350店から400店に下方修正。

かつてはバラエティストアと呼んだが、今はダラーストア。
かつてのバラエティストア時代はワンコイン、ツーコインストアがコンセプトだった。1879年にフランク・ウールワースが最初につくった業態。その時の店名は「The Great Five Cent Store」。

現在はそれが1ドルストアとなった。

1959年創業のファミリーダラーは、1969年に50店舗目をオープンし、翌1970年、株式上場。
1982年には10倍の500店舗のネットワークを形成。
1992年、年間売上高100億円ドル、今のレートで1兆円を突破している。
2003年、店舗数5000、2011年7000店舗と伸ばしてきて、現在8700店。
順調に成長してきたが、ここへきて、トップのダラーゼネラルの絶好調と3番手のダラーツリーの追い上げで、サンドイッチ状態。

さらに最強のウォルマートは小型新フォーマットのウォルマート・エクスプレスを開発して、この領域に入ってきた。ウォルマートはもともとベンフランクリンというバラエティストア出身だけに、1万平方フィートの小型店をつくると、ダラーストアと競合してくることになる。

第1位ダラーゼネラルの新店は700店、第3位のダラーツリーの新店数は375店。
アメリカでは企業がこういった弱含みの様相を見せると、寄ってたかって潰してしまう。
そして、そんな企業はレイオフやリストラを施し、ますます体力を弱め、最後には売却されてしまう。

ファミリーダラーがその下り坂に入ったのか。

同社のターゲットはロワーミドル層で、商圏人口は8000人。
都市部では半径1.5マイル、農村部では10マイルを設定している。

ほとんどの商品が1ドルではあるものの、それ以外の価格帯の商品も取り扱っている。
ダラーゼネラルが1ドルにこだわらないのに対して、ダラーツリーは比較的厳格に1ドルストアのコンセプトを守っている。ファミリーダラーはその中間。つまり個性がない。

アメリカの競争の中ではポジショニングが甘いと、すぐに生気を失う。
ポジショニング競争の激しさが、ファミリーダラーの不調を誘引していると考えられる。


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