シアーズHDとJCペニーの第1四半期合わせて794億円分の赤字

シアーズ・ホールディングスとJCペニーの第1四半期決算はどちらも赤字。
アメリカの「GMS」は相変わらず低迷している。
その理由は決定的にポジショニングが欠落した業態となってしまったからだ。

シアーズ・ホールディングスの13週売上高は、78億7900万ドル。
1ドル100円換算で7879億円。
前年が8452億円だから、マイナス6.8%。
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粗利益率は23.2%で、前年同期が25.5%だったから、2.3ポイントのダウン。
これも政策的に粗利益を落として競争力にするならばまだいいが、
上げようとして落ちてしまった。
一般販売管理費率は、26.2%から26.5%に微増。
結果として、営業利益はマイナス442億円。
前年同期がマイナス292億円だったから、純損失は150億円も増えた。
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シアーズ・ホールディングスはかつてのシアーズとKマートの統合企業。
そのシアーズの第1四半期の既存店売上高は0.2%の微増。
Kマートは既存店ベースで2.2%の減少で、米国内既存店はマイナス1.0%。

しかしEコマースの売上高だけは、前年同期比26%のプラス。
シアーズの店に行くと「ショップ・ユア・ウェイ(Shop Your Way)」という入口がある。
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いわゆるロイヤリティプログラムに対応するコーナーだが、
この利用者が購買客の74%に達した。

一方、JCペニ-の第1四半期売上高は、28億0100万ドル(2801億円)。
前年が2635億円だったから、売上げ自体は6.3%増加した。
目出度い。
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しかし営業利益はマイナス352億円の赤字。
前年同期も348億円の赤字だったから、目出度く赤字幅は4億円広がった。

粗利益率は33.1%。前年同期が30.8%だったから2.3ポイント増加。
販売管理費は36.0%で、これは前年同期40.9%から4.9ポイント減少。
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しかしペニーもEコマース売上高は25.7%増加した。

第1四半期の既存店売上高は6.2%の増加となった。
前年同期の既存店ベースが16.6%の激減だったから、回復しても一昨年には及ばない。

かくて、アメリカのGMSは両社合わせて、794億円の赤字。

日本の流通業界内では広くGMS(ゼネラルマーチャンダイズストア)という言葉が使われる。

アメリカの小売外食統計には「General merchandise stores」という項目がある。
これは二つに分かれていて、第1がデパートメントストア(Department stores)。
第2がその他のゼネンラルマーチャンダイズストア(Other general merchandise stores)。

第1のデパートメントストアもディスカウント型以外とディスカウント型とに分けられる。
ディスカウント型以外のデパートメントストアが、本物の百貨店。
そしてデパートメントストアのなかのディスカウント型が、実はシアーズとJCペニー。
これを日本ではGMSと呼ぶ。

普通のアメリカ人は、日本流通業でいうGMSをデパートと認識している。
それもディスカウント・デパート、つまり安売り百貨店。

アメリカでは、そのディスカウント・デパートメントストアの業績がずっと悪くて、
この業態が崩壊しつつある。

なぜ、日本で言うGMSのディスカウント・デパートメントストアが衰退の一途なのか。

まず、ゼネラルマーチャンダイズストアの第2の「その他のデパートメントストア」が好調。
ここにウォルマートとターゲットがいる。

さらに本物のデパートメントストアもメ―シーズに統合されて、経営を取り戻しつつある。

価格帯で言えば、ディスカウント・デパートメントストアは、この二つの業態の間で、
サンドイッチ状態になっている。

シアーズとJCペニーは、メーシーズやノードストロームとウォルマート&ターゲットの挟み撃ち。

つまり業態としてのポジショニングを完全に喪失しつつあって、
どっちつかずの店になってしまっている。

これは業態そのものを根本的に変えるしかない。
しかし、両社ともに決定的に、そのイノベーションの力がない。

かつての王者シアーズとKマート、そしてペニー。
小売業の盛者必衰はポジショニングの喪失を意味すると言えよう。

〈結城義晴〉

検索ワード: シアーズ・ホールディングス JCぺニー メ―シーズ ノードストローム GMS

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