ウォルマートの新コンペティティブ・プライべートブランド「Price First」近日登場!!
ウォルマートの新しいプライベートブランドが話題を集めている。
その名も「Price First(プライス・ファースト)」。
これは明らかにコンペティティブブランド、あるいはファイターブランドとも呼ぶ。
つまり競争型・闘争型ブランド。
プライベートブランドには大きく分けて4つの分類がある。
第1がレギュラーブランド。エコノミーブランドともいう。
通常のナショナルブランドからトレードオフして低価格を生み出すブランド。
第2がクオリティブランド。
ナショナルブランドよりも高い品質を創り出すブランド。
第3がライフスタイルブランド。
健康や環境、簡便やフェアトレードなど、特に新しいライフスタイルを提案するブランド。
そして第4がコンペティティブブランド。
エコノミーブランドよりもさらに超低価格のブランド。
ディスカウンターに対抗すべく開発されるもの。
今回のウォルマートの「Price First」は、ダラーストアやアルディに対抗するブランド。
つまり、コンペティティブブランドだ。
ウォルマートはレギュラーブランドとして強力な「Great Value」(グレイト・バリュー)を持つ。
1993年に開発して、それ以降、何度もリニューアル。
価格と品質、デザインなど強化を図ってきた。
しかしそれ以上に価格インパクトのあるブランドが、どうしても必要になった。
それがプライス・ファーストの誕生につながった。
2012年に商標登録されて1年間アイテムの開発実験が行われ、昨年秋から販売実験に入った。このころからメディアやブログで取り上げられてきた。
「ウォルマートで最も低い価格帯のブランド」とメッセージされている。
現在は、主にドライグロサリーの加工食品や消耗雑貨だが、ほとんどのカテゴリーに関して、約50アイテムがラインナップされている。
カテゴリーは以下。
- ランドリー製品、すなわち、漂白剤、帯電防止ドライヤーシート、家庭用繊維柔軟剤、汚れ除去剤、 食器用洗剤、洗濯洗剤。
石鹸、香料、精油、化粧品、ヘアローション、歯磨き剤。 - 照明、暖房、スチーマー、料理、冷凍、乾燥、換気、給水、および衛生の目的のための装置。
- 紙、段ボール、接着剤、ペイントブラシ、包装用プラスチック材料などオフィスサプライ用品。
- 肉、魚、鶏肉、ゲームミート、保存・冷凍・乾燥・調理された果物・野菜、ゼリー、ジャム、コンポート。 卵、牛乳および乳製品、 食用油脂。
- コーヒー、茶、ココア、砂糖、米、タピオカ、インスタントコーヒー、小麦粉とシリアル、パン、ペストリー、菓子、ベーキングパウダー、 塩、マスタード、酢、ソース、スパイス、氷。
- ビール、ミネラルウォーターと炭酸水やその他の非アルコール飲料、フルーツドリンクやフルーツジュース、シロップおよび飲料をつくるための他の製剤。
マヨネーズ。
ピーナツバター。
ストロベリージャム。
トマトケチャップ。
卵ヌードル。
マカロニ&チーズディナー。
ファッジ・ブラウニー・ミックスまで開発されている。
価格帯の特徴は1ドル以下のアイテムが多いこと。
レギュラーブランドの「グレートバリュー」と比べると、内容量を少なくしたり、原材料の品質をギリギリまで抑えて、コンペティティブブランド仕様のつくりだ。
明らかにダラーストアをターゲットにしたコンペティティブブランドである。
パッケージは、コーポレートカラーのブルーのラベルに、シンプルな白い文字で製品名が書かれている。
「Price First」のブランドロゴは、黄色い下向きの矢印のなかにブルーの文字。
ウォルマートの青と黄色と白で、店内サインを彷彿とさせる。
ウォルマートには「サムズ・チョイス」と名づけられたコンペティティブブランドがすでにある。
しかしアイテムも少ないし、留型のいかにもチーピーなブランドだった。
その全面リモデルがこの「Price First」である。
直訳すれば「価格第一」。
それだけウォルマートがダラーストアやアルディに手を焼いている証拠でもあるが、この秋の話題をさらって、クローガー、セーフウェイ、HEBなどスーパーマーケットチェーンに打撃を与えるランドとなることは間違いない。
〈結城義晴〉
[追伸]商人舎アメリカ研修会Specialコースは、メリッサ・フレミング女史とともに、入念にこのウォルマートの新ブランドの検討と分析をすることになる。メリッサさんは、HEBの上級副社長としてプライベートブランド開発を専門とした。
ただいま、大募集中。