ウォルグリーンのアライアンス・ブーツ合併完了、社名はウォルグルーン・経営権はブーツ

アメリカのドラッグストア第2位のウォルグリーンは、ヨーロッパのアライアンス・ブーツと合併する。

walgreens

2013年2月に両社の戦略的提携は発表されていたが、今年末の12月28日の株主総会で、合併が完了する予定。

ウォルグリーンの年間売上高は763億9200万ドル、伸び率5.8%。
純利益は19億3200万ドルで、こちらは前年比マイナス21.1%と不調。

一方のアライアンス・ブーツは、売上高230ポンド(=約357億ドル)。
両者を単純足し算すると年商1121億ドルの巨大ドラッグストアチェーンがアメリカとヨーロッパをまたいで誕生することになる。

しかし、現在のウォルグリーンCEOグレッグ・ワッセンは、今回の合併成立後、退任すると表明。
その結果、現ウォルグリーン取締役会議長ジェームス・スキナーが新会社ウォルグリーン・ブーツ・アライアンスのエグゼクティブ・チェアマンに就任し、現アライアンス・ブーツのエグゼクティブ・チェアマンであるステファノ・パッシナが新会社のCEOに一応、就任する。

これまでの予定では、ブーツのパッシナが取締役会議長、ワッセンがCEOと発表されていたが、合併直前の突然の変更。

アメリカの情報メディア「ブルームバーグ」の推察では、個人的に新会社の筆頭株主となって約16%を保有するパッシナが主導して、経営ボードを刷新することになった。

合併前にすでにウォルグリーン側のCFOとファーマシー事業のプレジデントは辞任している。
二人に続いてワッセンが退任するのは、ここ数年のウォルグリーンの業績不振に原因がある。
2014年8月期決算は5.8%の売上高の伸びを見せたが、2013年8月期、2012年8月期はそれぞれ
マイナス0.8%。純利益はこの3年間に、マイナス21.1%、プラス15.2%、マイナス21.6%と乱高下している。

パッシナは新CEOの人選が済み次第、取締役会議長となって、全体を統括する。

企業としては、規模が大きな米国のウォルグリーンが、アライアンス・ブーツを買収する形だが、経営権はアライアンス・ブーツ側が握る。

そして株式マーケットも、このワッセン退任のニュースが発表されたあと、ウォルグリーンの株価を2.7%引き上げて、歓迎した。

ライバルのCVSヘルスは、2013年12月期決算で年商1267億6100万ドル。伸び率は2.9%。
純利益は45億9200万ドルで伸び率18.5%。
この数年間もそこそこの成績を堅持している。
さらに今年2月5日に、アメリカで初めて全店舗でタバコやタバコ製品の販売を中止すると発表。10月1日までにそれを完了して、ポジティブな取り組みでは一歩も二歩もウォルグリーンをリードしている。

規模でCVSヘルスに追いつきかけた新生ウォルグリーンが、経営の質でもCVSに迫ることができるか。株式市場は期待を込めて、新経営陣のマネジメント能力を高く評価している。

なお、アメリカのこういったニュースでは必ず言及される退職金その他。グレッグ・ワッセンは3510万ドルを受け取る。現時点の為替レートでこれは42億円となる。

 

検索ワード: Walgreen Alliance Boots CVSHealth ドラッグストア M&A

関連カテゴリー

海外 最新記事

一覧

最新ニュース

一覧