コールズがオフプライスストア実験店舗「Off-Aisle by Kohl’s」を6月にオープン
一般にはジュニア・デパートと言われ、その本質はディスカウント・デパートメントストアのコールズが、いよいよ6月に「Off-Aisle by Kohl’s(オフアイル・バイ・コールズ)」を出店する。
オフプライスストアの実験店舗で、出店地はフィラデルフィア近郊のニュージャージー州チェリーヒル。
店舗面積は3万平方フィート(2800㎡)。
アパレル、アクセサリー、家庭用品を70%〜90%割引価格で販売する。
(写真はretailingtodayサイトより引用)
オフプライスストアはデザイナーズブランドなどの季節はずれ商品、売れ残り品を集め、低価格で販売し、急速に伸長してきた。
業界第1位はTJX。「TJマックス」「マーシャルズ」などの店舗バナー名で、2015年1月期段階で3395店(米国内は2094店)を展開する。年商290億7800万ドル(100円換算で2兆9078億円)、前年比6.0%増。
第2位はRoss Storesで、店舗バナーは「ROSS DRESS FOR LESS」、通称「ROSS(ロス)」。こちらも1月期決算で110億4200万ドル(1兆1042億円)、前年比7.9%の伸び率。店舗数は1362店。
アメリカの百貨店や専門店はほとんどすべて商品を買い取る。日本のような返品制度の慣習はない。そんなアメリカ小売業界だから誕生した業態だ。
しかし、自分たちが売り残した商品を集めて商売をするオフプライスストアが、ぐんぐん成長するのは百貨店としては、まことにおもしろくない。
そこでノードストロームやニーマンマーカス、サックス·フィフス·アベニュー、メイシーズ傘下のブルーミングデールズといった代表的な百貨店が、自らオフプライスストアを展開し始めた。
「ノードストロームラック」「ニーマンマーカス・ラストコール」「サックス·フィフス·オフ・フィフス」「ブルーミングデールズ・アウトレット」が、それらだ。
そして2015年秋には、メイシーズが「メイシーズ・バックステージ」をオープンさせる予定。これでアメリカの主だった百貨店はこぞってオフプライスストアに参入することになる。
今回、メイシーズより一足先にコールズがオフプライスストアに乗り出すというわけだが、「コールズよ、お前もか」。
もともと二番手ブランドを品揃えするディスカウント・デパートメントであるコールズにとって、この、さらなるディスカウント業態への参入はどれだけ価値があるのか。もちろん自社の売れ残り品をさばくという意味はあるだろうが、超高級百貨店のブランド品が安く売られるよりも、インパクトは薄い。ノードストローム・ラックに喜び勇んで出かける顧客に、オフアイル・バイコールズはどう映るのか。
百貨店のオフプライスストア参入とは別の意味で、興味が沸くコールズのフィンフォーマットである。
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