ターゲットnews|食料品配達サービス企業「シプト」を5.5億ドルで買収

アメリカのハイパーマーケット第2位のターゲット・コーポレーションは、13日、「Shipt(シプト)」社を5億5000万ドル(約620億円)で買収することを発表した。シプトは食料品配達サービスおよびプラットフォームを提供する、2014年に設立されたばかりの新興企業。同様のサービスを提供するInstacart(インスタカート)のライバル企業である。


(出所:Target Corporation公式HPより)

インスタカートがリードしている食料品の注文即日配達サービスだが、シプトも独自の受注配送テクノロジープラットフォームや、顧客ネットワークを保持している。シプトでは現在、テキサスのH-E-B、東海岸のハリス・ティーター、ハイパーマーケット第3位のマイヤーなどの大手小売業と提携し、サービスを提供している。しかし、すでにシプトのサービスを利用している一部の企業からは、今回のターゲットのシプトへの投資には、好意的な意見も出ている。今後のサービスや配達ネットワークがより充実するだろうからだ。

注文の流れは、顧客が食料品やその他商品をオンラインで注文すると、近隣のターゲット店舗から商品が直接配達される。シプトの年会費は99ドル(配達回数無制限)で、今後ターゲットでも同金額で利用が可能となる模様。


左から、ターゲットCOOのJohn Mulligan、シプト創業者・CEOのBill Smith、ターゲットCEOのBrian Cornell。

ターゲットは、シプトの事業は買収後も独立運営し、このサービスをさらに多くの小売業者に提供していくと発表している。また、シプト創業者であるBill Smithは、引き続き、CEOのポストに就く。

「シプトの持つ、ローカルな顧客ネットワークとマーケットシェアによって、ターゲットではスピーディーに、全米のお客さまに手ごろな価格の『即日配達サービス』の提供が可能となる。2018年のホリデー・シーズンまでには、主要都市のマーケットで即日配達を実現しているだろう」とターゲットCOOのJohn Mulliganは声明で述べている。

この買収は2017年12月末までに終了する予定。また、2018年初頭までに約半数の店舗で、即日配達サービスを展開する計画だ。

ターゲットは食料品の配達サービスにおいては、遅れをとっていたが、今回のM&Aによって、即日配達サービスを開始する動きを早めることができる。eコマース事業の強化を図ることで、EC王者のアマゾンや、ジェットを買収したウォルマートに対抗する構えだ。

検索ワード: Target Corporation Shipt Instacart e-commerce 当日配送 M&A 

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